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便利なフッ素加工のフライパン。なぜ焦げつかないの?/誰かに話したくなる地球の雑学

  • 2021年8月5日
  • レタスクラブニュース





日本の裏側は本当にブラジル!? フグが自分の毒で死なないのはなぜ? きっと誰かに話したくなる理系のウンチクを、『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から1日1本お届け!

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フッ素加工はなぜ焦げつかず、水や油をはじくのか


蛍石や氷晶石から産出される原子番号9のフッ素(元素記号はF)。その化合物の存在は、スウェーデンの化学者カール・シェーレによって1771年に発見されていたが、毒性が強い元素であるため、純粋なフッ素の単体を取り出すことはきわめて困難とされていた。電気分解によってその取り出しに成功したのが、フランスの化学者アンリ・モワッサンで、1906年に「フッ素の研究と分離およびモアッサン電気炉の製作」の業績により、ノーベル化学賞を受賞している。

現在、われわれの身近でもフッ素はさまざまな用途で用いられているが、フッ素と炭素が結合することでできた、「フッ素樹脂」と呼ばれている化合物が塗られたフライパンは、その代表格といえる。この化合物は、アメリカの化学会社「デュポン社」にいたプランケット博士によって1938年に発見されたもので、「テフロン」の商品名で世界的に有名だ。

ちなみにフッ素加工のフライパンは、焦げつかず、水や油をはじくことで知られるが、それはフッ素と炭素がしっかり結びついているため。肉などを焼いたとき、蒸発して炭になったものが、鉄やステンレスの金属面にくっつくのが焦げつきの原因なのだが、フッ素樹脂の結合力は非常に強いため、温度が高くなってもほかの物質とくっつきにくい。さらに、摩擦も少ないことから、水や油をはじくという特性を兼ね備えている。

こうしたフッ素加工の特性は、雨傘やレインコート、キャンプや建築用のテントだけでなく、なかなか手入れができない高層ビルなどにも活用されている。最近では東京スカイツリーの鉄骨の塗装にもこれを含む塗料が使われ、建物の保護に一役買っているそうだ。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』(KADOKAWA)




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