たくさんこねたり、発酵させたり…初心者にはハードルが高いパン作り。
今回は面倒な手間をかな~り省いた、奇跡ともいえるパンをご紹介! 生地を作りおきできるから、いつでも焼きたてが楽しめるし、アレンジも自由自在だから飽きません。
オーブントースターで焼けちゃうのもうれしいポイントです!
「こねないパン」連載第1回目は、 成形いらずで作れる、基本のこねないパンの作り方をお届けします。
▷教えてくれた人
吉永麻衣子さん
パン講師、料理家。家事や育児に忙しくても作れる、簡単パンの提案が人気を集める。手作りの温かさを伝える「おうちパンマスター」の資格を広める活動のほか、著書も多数。
「こねないパン」ここがすごい!
■1. 広いスペースは必要なし! 保存容器内で作れる
大きめの保存容器は底面が広くて混ぜやすく、生地をそのまま保存できるのでおすすめです。18×26×高さ5.5cmの保存容器とカードは100円ショップなどで購入できますが、保存容器はボウル (発酵や保存のときにはラップでおおう) 、カードは混ぜるときはゴムべら、切るときは包丁で代用できます。
ボウルとゴムべらでも代用可!
■2. オーブントースターでもオーブンでも焼ける!
▷オーブントースター
予熱不要で、いつでも手軽に焼けます。
▷オーブン
焦げにくく、焼きむらが出にくいのが特徴!
■3. 生地の作りおきができる!
パン生地は冷蔵で約3日間保存可能! 強力粉400gを使って一度にたっぷり作っておけば、食べたい分だけをカットして、好きなときに焼けて便利です。
残った生地は1日1回丸め直しましょう。
それではさっそく、こねないパンを作ってみましょう!
* * *
成形不要! 切りっぱなしでラフに楽しめる
基本のこねないパン
シンプルなプレーンパンは、好みに合わせてジャムやオリーブ油をつけても! 冷蔵保存できる生地で、いつでも焼きたてのおいしさを堪能できます。
[ 材料・作りやすい分量 (24個分) ]*1個分79kcal/塩分0.3g
・粉類
∟強力粉 ...400g
∟砂糖 ...20g
∟塩 ...6g
・牛乳液
∟牛乳 ...1カップ
∟水 ...80g
∟インスタントドライイースト ...4g
・バター ...20g
・打ち粉 (強力粉) ...適量
[ 下準備 ]
●牛乳液を作る。牛乳は室温にもどしてボウルに入れ、水を加える。ドライイーストをふり入れ、そのままドライイーストが溶けて沈むまでおく。
●バターは室温にもどす。
[ POINT ]
ドライイーストは液体に溶かすと発酵が進みやすくなる。スプーンなどで混ぜるとドライイーストがだまになるので、なるべく重ならないようにふり入れ、自然に溶けて沈むのを待つ。
大きめのボウルを使うと早い!
[ 作り方 ]
1. 混ぜる
保存容器に粉類を入れ、カードでさっと混ぜる。牛乳液を8割ほど加え、カードで切るようにして粉っぽさが少し残るくらいまで混ぜる。
〈POINT〉容器から粉類がこぼれないよう、初めは丁寧に混ぜる。
2. 残りの牛乳液を加え、混ぜる
粉けが多いところに残りの牛乳液を加え、粉っぽさがなくなるまでカードで切るように混ぜる。
〈POINT〉保存容器の四隅に粉が残らないように注意。
3. 生地を折り畳む
生地を奥側から手前に指先で折り畳み、ギュッと押し込むようにする。同様に生地の表面がなめらかになるまで1~2分折り畳み続け、1つにまとめる。
〈POINT〉左手で保存容器を少しずつ回しながら右手で折り畳んでいくと、むらなく混ぜられる。
4. バターを加え、混ぜる
バターを加え、手で握るようにしてバターがなじむまで3~4分もみ混ぜる。
〈POINT〉バターのつや感が落ち着いて、生地がマットな感じになればOK。
5. 冷蔵室で発酵させる
生地の表面を両手で引っ張るようにして1つに丸め、ふたをする。冷蔵室に入れ、生地が1.5~2倍にふくらむまで約8時間おく。
〈POINT〉時間があれば、生地を室温に約20分おいてから冷蔵室に入れるとよく発酵し、ふくらみやすくなる。冷蔵室に入れた状態で、生地は約3日間保存できる。
6. 生地を切り分け、焼く
オーブントースターの受け皿にアルミホイル (またはオーブンの天板にオーブン用ペーパー) を敷く。パンを6個焼く場合、生地の1/4量に打ち粉をふり、カードで取り分ける。保存容器のふたの上に置いて6等分に切り、間隔をあけて受け皿に並べる。下の焼き方を参考に焼き、網にのせて粗熱をとる。
〈焼き方〉
●オーブントースター:約11分焼く。
●オーブン:180℃に予熱し、約15分焼く。
ソーセージキャベツパン
キャベツのシャキシャキ感と粒マスタードの酸味が食欲をそそる
[ 材料・2個分 ]*1個分414kcal/塩分3.7g
・基本のこねないパン (前ページ参照) の生地 (作り方5まで作り、打ち粉をふって取り分けたもの) ...1/4量
・ウインナソーセージ...大2本
・キャベツ ...120g
・塩 ...小さじ1
・粒マスタード、トマトケチャップ ...各適量
[ 作り方 ]
1. キャベツはせん切りにし、ボウルに入れる。塩をふってもみ込み、約5分おいて水けを絞る。
2. 生地を保存容器のふたの上に置く。めん棒で15×10cmにのばし、カードで縦2等分に切る。
3. オーブントースターの受け皿にアルミホイルを敷き、間隔をあけて2をのせる。フォークで生地全体に穴をあけ、1、ソーセージの順で等分にのせる。粒マスタード、ケチャップの順にギザギザの線を描くようにして絞り、オーブントースターで約13分焼く。
〈こちらでもOK!〉オーブン:200℃に予熱し、約15分焼く。
生地はソーセージの大きさに合わせ、ひとまわり大きくなるようにのばせばOK。
たらこパン
ビッグサイズで大満足! みんなが大好きなたらこマヨ味
[ 材料・1個分 ]*全量で662kcal/塩分3.0g
・基本のこねないパン (前ページ参照) の生地 (作り方5まで作り、打ち粉をふって取り分けたもの) ...1/4量
・たらこ (薄皮を除いたもの) ...20g
・マヨネーズ ...20g
・刻みのり ...適量
[ 作り方 ]
1. 小さめのボウルにたらこ、マヨネーズを入れ、混ぜる。
2. 生地を保存容器のふたの上に置く。手で軽く押さえて1.5cm厚さにのばし、長方形に整える。
3. オーブントースターの受け皿にアルミホイルを敷き、2をのせる。表面に1をぬってのりを散らし、オーブントースターで約18分焼く。
〈こちらでもOK!〉オーブン:200℃に予熱し、約20分焼く。
スプーンで表面にのばすだけ。まんべんなく広げることで、たらことマヨネーズがこんがり焼ける!
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生地を作りおきすることで、毎朝焼きたてが食べられるなんて夢のよう...!
アレンジも簡単だから、平日の朝はシンプルパン、ゆっくり作れる週末のブランチやランチにはおかずパンと、何度も楽しめちゃいますね。
次回は、おかずパンのアレンジをさらに大公開。コロンとかわいいロールパンと、おもてなしにもぴったりのピザをお楽しみに!
<レタスクラブ20年9月号より>
調理/吉永麻衣子 撮影/田村昌裕 スタイリング/河野亜紀 栄養計算/スタジオ食 編集協力/中田裕子
【レタスクラブ編集部】