歴史のこと、政治のこと、環境問題のことなど、子どもに不意に質問されてうまく答えられなかった経験はありませんか?NHK「週刊こどもニュース」のお父さん役で人気を博し、わかりやすい解説に定評のあるジャーナリスト池上彰さんなら、どう答える?最新刊『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』から抜粋・一部改変してご紹介します。
今の日本は平和な国です。でも歴史的に見ると、実はたくさん戦争をしてきたんですよ。750年近く前には、元(今いまのモンゴル)が軍隊を送り込んできました。日本はこれを撃退し、侵略を免れています。
侵略されるのではなく、する側としては、1300年以上前の飛鳥時代、そして16世紀には豊臣秀吉が朝鮮半島に軍隊を送っています。
江戸時代の末期には薩摩(鹿児島県)とイギリス、長州(山口県)とフランスなどが戦ったし、明治時代には清(今の中国)との日清戦争、ロシアとの日露戦争がありました。
昭和7(1932)年には、今の中国に、日本の言うことをなんでも聞いてくれる満州国という国までつくります。このころ世界ではいろいろな国が対立していて、最終的には第二次世界大戦になりました。
1945年、敗戦国となった日本は戦争の悲惨さを思い知り、二度と戦争をしない国になると決めました。今の日本の平和は、たくさんの戦争の歴史の上に成り立っているんですね。
『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』
1,848円(税込)/主婦の友社
池上 彰(いけがみ・あきら)●1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。2005年よりフリージャーナリストとして活動。著書累計750万部超。