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親が知らない、子ども溺れる〈最も危険な場所〉とは。生存率が5倍になるマストアイテムも紹介

  • 2023年8月11日
  • 暮らしニスタ

海や川でのレジャーが増える夏は、1年で最も水難事故が起こりやすい時季でもあります。子どもの水難事故の特徴と、命を守るマストアイテムの必要性について聞きました。

【教えてくれたのは】グローブライド 佐藤進也さん

グローブライドの主要事業、フィッシングの【DAIWA】にて、ライフジャケットやレインウェアなど様々なウェアの企画を手がける。

データで見る子どもの水難事故

子どもの水の事故は毎年起きていますが、実際にはどれぐらいの件数なのでしょうか。まずは警察庁の生活安全局地域課発表「令和3年における水難の概況」から、子どもの水難事故データを見てみましょう。

年間の水難事故の件数

データ出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における水難の概況」より作図

警察庁の生活安全局地域課が発表した「令和3年における水難の概況」によると、令和3年の子どもの水難事故件数は全国で119件で、前年度比+2件。

実際には夏に起こりやすいですが、単純に12ヶ月で割ると、ひと月で約10件の事故が起きている計算になります。

そして水難した子は183人。このうち、死亡・行方不明となった子は31人で、全体の約20%にあたります。

水難事故が多く起きる場所は?

データ出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における水難の概況」より作図

全体の水難事故で死亡・行方不明が発生した場所を見てみると、第1位が「海」、ついで「河川」となっています。

しかし、子どもだけで見ると、事故が発生している場所は「河川」が最も多く18人。海や用水路、プールよりも、かなり多いのがわかります。

水難事故が起きたときのシチュエーションは?

データ出典:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和3年における水難の概況」より作図

シチュエーション別に見ると、全体が「魚とり・釣り」が214人で多いですが、子どもだけで見ると「川遊び」が最も多く15人でした。

ライフジャケットの着用で、生存率が大きく変わる!

子どもに限りませんが、ライフジャケットを着用している場合と着用していない場合では、溺れたときの生存率が大きく変わります。

浮くことができれば救助を待つことができますし、パニックに陥ることも防げるので、生存のためにライフジャケットの着用は必須です。

海中転落者のライフジャケット着用・非着用別による死亡率

【着用者の死亡率(令和3年)】

【非着用者の死亡率(令和3年)】

データ出典:海上保安庁「令和3年 海難の現状と対策~大切な命を守るために~」より作図

ライフジャケットを着用していた人の死亡率は10%ですが、着用していなかった人の死亡率は51%まで上昇しています。

水深10cmでも、口や鼻がふさがれたら溺れてしまう

上のグラフは海中での転落事故のデータなので、「川など水位が低い場所では着けなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。

しかし水深が10cm程度でも、転倒して口や鼻が水面下に沈むと子どもは溺れてしまいます。

子どもの場合、「川」での事故が「海」の3倍以上

先程のグラフにもあったように、子どもの場合、川での事故が、海での事故の3倍以上です。

川は思っている以上に流れが早く、水流も強いです。川底には苔などが生えていて滑りやすかったり、川底の石が思う以上に簡単に崩れたり、突然深い穴があることもあります。

川は淡水のため、浮力が海より少なく、水位が低くても海より沈みやすいという特徴も。

ライフジャケットの着用はとても大切なのです。

撮影/瀬津貴裕(biswa.) 取材・文/佐藤望美 *こどもニスタ人気記事の再配信です

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