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〈星のおもしろさ〉ってなんだろう。天文学のプロが教える星のハナシ|石垣島天文台・花山秀和さん

  • 2023年7月7日
  • 暮らしニスタ

夜空に輝くたくさんの星。ひとつひとつの小さな光は、遠く離れた宇宙から届いていると考えると、ふしぎですね。石垣島天文台・花山秀和さんの案内で、「宇宙への冒険」へと続くドアを開けてみましょう!

星の‶おもしろさ”ってなんだろう?

(アルビレオ〈はくちょう座 β〉/写真提供:国立天文台)

星は、キラキラとかがやく姿そのものがとても魅力ですね。

夜になれば見ることができるとても身近なものであるにもかかわらず、その正体は何なのか、実は星を研究している私たちでもわからないことがいっぱい!なぞに満ちた存在であることも、星のおもしろさのひとつです。

キラキラとかがやく星は、ガスでできていて、自ら光を発しています。このような天体を「恒星」と呼びます。太陽も恒星のひとつです。夜になると見ることができる星の光は、光の速さで何百年、何千年と離れた遠い宇宙にある恒星から届いているのです。

『なぜ太陽やほかの恒星は自らかがやいているのか?』

『なぜ遠いところに恒星がたくさんあるのか?』

『私たちがいる宇宙とは、いったいどんなところなのか?』

考え始めると、きりがありません。しかし、その正体を知りたいと思ったとき、この世界の謎をときあかしたいと思ったとき、ドキドキワクワクする「宇宙への冒険」が始まります。

図鑑を手にとって宇宙のなぞを追跡!

(こと座のリング星雲/写真提供:国立天文台)

宇宙や星への興味がわいてきたら、ぜひ図鑑や本を手にとってみましょう。

私も小学生のときに宇宙の図鑑を見たことが、星に興味を持つきっかけになりました。

今でも覚えているのは、図鑑にのっていた「こと座」のリング星雲。ドーナツのような輪っか状の不思議な見た目にあざやかな色、「これはなんだ?」とくぎづけに。

まわりの大人に聞いてもよくわからないし、自分で調べてもわからないことがいっぱい。ふしぎで、むずかしそうで、でもおもしろそうで、夢中になりました。

(いて座にある散光星雲/写真提供:国立天文台)

中学生になると、学校の図書館で科学の本や雑誌を読むようになり、宇宙について知ることがどんどん楽しくなっていきました。高校生のころには、山に出かけて天体観測したことも忘れられない思い出です。

また、星に近づく方法は、図鑑や天体観測だけではありませんよ。星をモチーフにした神話や物語は世界各地にありますし、星にまつわるキャラクターが活躍するアニメや漫画もありますね。

こうしたところにも、私たちは星とともに生活していることがあらわれているのかもしれない、と思います。星の神秘性や美しさは、昔から人々の心をとらえてきたのですね。

星を探すときは「明るい星」をまず目印に

(石垣島天文台と夏の天の川/写真提供:国立天文台)

明るい星を目印に夜空をながめると、星座や周りの星を探しやすくなります。

たとえば、「北斗七星」や「カシオペヤ座」は、「北極星」を探すときの目印になります。「夏の大三角」や「冬の大三角」も、季節の星座を探すときに便利です。

「夏の大三角」を恒星する二つの星、こと座の「ベガ」とわし座の「アルタイル」は、それぞれ七夕の織姫と彦星としても知られています。そして、このふたつの星には天の川が流れています。

実際に目で見て覚えるのが一番ですが、本や図鑑にのっている星図や星座早見盤、スマホアプリなどを活用して探すのもおすすめです。

最初はなかなか見つけられなくて苦戦するかもしれませんが、一度見つけて覚えると、次からはぐっと探しやすくなるはずです。

星を身近に感じるには、やっぱり「望遠鏡」!

(プレアデス星団〈すばる〉/写真提供:国立天文台)

もっと星を近くに見たい!観察したい!と思ったら、望遠鏡をのぞいてみるのもおすすめです。

初めての望遠鏡なら、口径80mm前後のものが扱いやすいでしょう。望遠鏡の本体(鏡筒)だけでなく、望遠鏡を上下左右に動かすための架台(経緯台)がセットになっていると、観察がしやすいですよ。

スムーズに天体観測ができるよう、おうちで望遠鏡の組み立てや、焦点の合わせ方の練習をしておきましょう。
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星に興味が出てきたら、今夜は夜眠る前に窓をあけ、夜空をながめてみませんか?暗やみにまたたく星を目にしたら、どんなふうに感じるでしょう?

「きれいだな」と思う人もいるし、「ちょっとこわい」と思う人もいるかもしれません。いろんな感じ方があって、それもまた星のおもしろさのひとつですね。

(むりかぶし望遠鏡と花山さん/写真提供:国立天文台)

花山秀和(はなやま・ひでかず)●国立天文台天文情報センター石垣島天文台 室長。小学生のころから星に興味を持ち、高校時代から天文学者を志す。大学院で博士号を取得後、2009年より石垣島天文台の研究員に。2022年より現職。

▶石垣島天文台のホームページでは、天の川モニターもみられます。https://murikabushi.jp/

文/浦上藍子 取材協力/国立天文台
https://www.nao.ac.jp/

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