サイト内
ウェブ

Vol.89 今年もまず1年の抱負を発表したいと思います。

  • 2012年1月19日

 あけましておめでとうございます。ゴスペラーズの北山陽一です。今年もよろしくお願いします。

ぼんやり学会

 さて、昨年の最後の更新で、2011年は社会に対して主体的に考え、行動する人が増えたと感じているということを書きましたが、新しい年が始まってまさに新しいことを始めるうえで、その主体性が大きな力になることは言うまでもありません。ただ、主体的に動く人が増えたとは言っても、それはまだ大多数ではないし、そもそも人間には“考えないで済むなら、考えないで済ませたい、”という、強く甘い欲求というものは確かにあるわけですよね。それは、僕もよぉく承知しています(笑)。僕のことで言えば、ゲームをしてたり、もっと言えばコンサートの最中というのは、余計なことは考えなくていいわけです。まあ、コンサートのときには、余計なことを考えてる場合じゃないということですけど。“そういうことだけを生きていければ楽なのにな”と思うことがあるのは否定できません。現実にはそれは叶わないわけですけど、でも贅沢さえ言わなければ、ある程度そういう感じで暮らしていける社会というものが用意されてしまっているのも事実です。そういう場においては、人生の意味とかこの世の中の成り立ちはどうなっているのかとか、あるいは「現実のパワーバランスのなかで自衛隊はどういう役割を果たしているのか?」とか、そういうことはまったく考える必要がない。仮に、“考える”ということをやってしまうと、自分なりの考えというか、ある種の結論みたいなものが出てくるわけですが、えてしてそれは現実と合わない、ギャップがあるということになるわけです。ただ、それがなぜそうなっているのかという真実にはなかなかたどりつけないから、現実的にはそのギャップを許す、あるいは受け入れるということをしなければいけなくなります。“考える”ということをしなければ、“許す”とか“受け入れる”といったことをする必要は生じません。言ってみれば、考えないということはエネルギー消費的にはエコなんですよね(笑)。

 だから、難しいんですよね。昨年最後の更新で、この1年がより良い年になっていくと信じていると書きましたが、決して楽観的になっているわけじゃなくて、そういう難しさを自覚しながらやっていきたいと、あらためて思います。

 というわけで、今年最初の更新ですから、2012年の抱負を書きます。

 まず、Always With Smile(AWS)の活動についてですが、アカペラ関連のプロジェクトについては、学生を中心としたスタッフの皆が自分達で考えて進めていけるような環境づくりを、焦らず、でも出来るだけ早い時期を目指して作っていきます。動き出しているものもあるので、報告も早くできるようにします。で、その名前をつけたときにはあまり意識してなかったんですけど、Always With Smileというのはすべてに通じるテーマだから、僕がやってきたプロジェクトは全部AWSの下にぶら下げればいいんじゃないかなと考え始めていて、その流れのなかで日妄研の新しいテーマが決まりました。ひとつは、「エネルギー的に自己完結できる最小単位のコミュニティを作るにはどれくらいの広さの土地が必要で人間は何人くらいが適当か」みたいなことを真剣に考えましょうということです。「真剣に」というのがポイントなんですが、例えば、そのコミュニティに3台のバイオ燃料のディーゼル車があったとして、それを1年間走らせるのに必要な作物を継続的に収穫するにはどれくらいの土地が必要なのか、みたいなことを現実的に考えていこうということです。で、その過程で得られる知見についても目標があったほうがいいだろうということで、「10年後までに誰がいきなり環境大臣になったとしても問題がないように勉強会を重ねよう」という目標を立てました。そこで言われている「環境大臣」については、別に財務大臣でも経済産業大臣でもいいんですが(笑)、「真剣に」というのはそういうこともちゃんと視野に入れてという意味で、要は政治のことを語り始めたとたんにケムたがられるというような社会ではなくしたほうがいいと思っているということですね。

  今年の抱負と言いながら、ちょっと長期的な目標ですが、とにかく2012年のことを語り始めると本当にいっぱい計画があって、“俺は大丈夫なんだろうか?”とも思ってしまいます(笑)。本業のほうでも、2月にゴスペラーズのツアーが終わると、3月には初めてのソロ・ツアーで東北地域をまわります。 がんばれ、北山!と自らを励ましたところで、今年も1年よろしくお願いします。


キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。