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Vol.36 やっぱり民主党の環境政策は気になります。

  • 2009年11月19日

 

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 相変わらず、世界的に経済状況が厳しいと言われているなかで、いろんなことが変わっていかなければいけないという意識はどんどん強くなっているように感じます。民主党の政権交代もオバマ大統領のノーベル平和賞受賞もみんなが変えていかなきゃいけないと思っていることのひとつの表れだと思うんです。でも、それと同時に最近よく思うのは、もちろん変えたほうがいいこともたくさんあるでしょうが、ただ変えればいいということでもないということです。何が問題で、何を変えなければいけなくて、変えた先はどうなるのか? そういうことが見えていないのに、ただ変えるということばかり進めても先細りするだけです。

 この連載の第33回で、CO2削減公約を掲げた民主党の今後には注目していきたいと書きましたが、その時点で心配していたことが悪い意味で予想通りになりつつあるように思います。例えば「25%削減」という数値目標ばかりが一人歩きしてしまう状況を心配していたんですが、いよいよそういう状況に進んでいますね。一般論として考えてみても、ルールや約束を守ることはもちろん大切ですが、それを守ろうとする余り逆にそのルールや約束にがんじがらめになってしまうことが本当にいいのかといえば、そういうわけでもないと思います。ルールを守るというのは、より良い社会を実現するための物事の進め方のひとつですが、でも「より良い社会」のイメージをちゃんと思い描けていなければ、単にルールを守るだけになってしまって、そうなるとルールを変更することもできないし、ルールに異議を唱えることもできない。だから、やっぱり目的をしっかり見据えるということが大事なんですよね。個人的には、いま改めて、「CO2を25%削減する目的は何ですか?」と民主党に問うてみたいです。

 それから、そのCO2削減を進めるのに有効ということで、原子力発電を広げる動きが進んでいます。でも、リスクの取り方としてそんなバカげたことはないと思うんです。いまCO2を出し続けることは例えば数百年くらい影響があるとしましょう。それに対して、原子力は何か起きたら何億年も元には戻りません。影響の大きさの単位が全然違うわけですから。
 ただ、原子力云々以前にひとつ考えてほしいことがあります。現在の発電体制のなかで原子力発電を無くせないことの大きな理由のひとつに「現状の生活環境の豊かさをキープする」という条件があるわけですが、でも現状の生活環境は果たして豊かなんでしょうか? さらには、現状の生活環境が豊かだとしても、いつでもこんなに明るい必要があるか?ということも考えてみてもいいと思うんです。僕は、「暗くなったら寝て、明るくなったら起きるみたいな生活をしよう」と言うつもりはもちろんないです。そうではなくて、現在とは違う暮らしの成り立ち方を考えてみてもいいんじゃないかという話です。人間というのは、有ると思っている“こと”や“もの”が無くなると哀しいですけど、無いことが前提だと有るようになったときにうれしいじゃないですか。だから、例えば今日はお日様がたくさん照ったから、夜更かししても電気があるとか、そういう暮らしの成り立ち方だといけないのかなと思うんです。

国会議事堂  そもそも日本人は、政治家が国のためにしていることに対して無関心過ぎると思います。国民が政治家をチェックし続ける努力をしないといい社会は生まれないんだけれど、そういう考え方は今の日本人には受け入れがたいようです。“政治をやるような人はいつでも民のことを考えている”という、自分たちにとって心地よいイメージに縛られているところがありますからね。そのせいか、従順なわりに変なところでは潔癖性が発揮されます。細かい手続きミスでも絶対に許さない!みたいな。でも、政治家も聖人君子じゃないんだから、そういうことをあげつらうのではなく、いいこと探しをしましょうよと言いたいですね。同様に、エコについても、夢を語っている人の話を聞いて、その夢に対して自分から参加するという形をとってほしいと思います。リビングのソファに寝転んで、テレビを見ながら「コイツらの言うことはみんないい加減だ!」と言うのは簡単だけど、そういうふうに自分は何もしないで、「税金払ってるんだから全部OKにしてください」というのはムシが良過ぎると思うんです。自分なりに考えたり行動したりすることがいつでもベースになっていたらいいなと思います。もちろん、それは自分に対しても言い聞かせないといけないことですが。とりあえず、民主党の環境政策についてはひき続き注目していきたいと思います。

 それから、最後にお詫びと訂正を。
 前回の記事のなかで「ヘイゼルナッツのシロップはメイプルシロップと同じように吸収がある程度穏やかなので」と書きましたが、ヘイゼルナッツのシロップは単糖系なのでむしろ吸収(血糖値上昇)が速いものと考えるべきで、僕の間違いでした。ゴメンナサイ。お詫びして訂正させていただきます。これからはシロップの代わりに蜂蜜使おうかな。でも、「ヘイゼルナッツのシロップ入りカフェインレスコーヒー・ウィズ豆乳」がおいしいのは間違いじゃないです(笑)。


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