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Vol.21 新生活の始まりは自分の感覚をリセットするチャンス!

  • 2009年4月30日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 今月は新生活を始める人に向けて書いてきましたが、要は自分の生活をコントロールすることを楽しんでください、ということなんです。で、僕自身のことで言えば、食事制限を続けていたことが大きかったと思っています。食事制限のおかげで、「この時間に食事をしないといけない」「この時間だと食事ができない」といったことが現実的に起こってしまうわけで、だから生活をコントロールせざるを得なかったんです。それが最初の一歩になり、その一歩を応用していくと、すごく幼稚な話で申し訳ないですが(笑)、“きれいな下着があと2枚でなくなるから、とりあえず下着だけでも洗濯しよう”というようなことができるようになるんです。以前は、“あっ、ない!もうコンビニに買いに行くしかない!”みたいなこともありましたから(笑)。「そんなことは、元々できますよ」という人にはこの話はなんの意味もないですが…、大切なのはできなかったことができるようになる小さなことを喜びベースで積み重ねていくということです。それを僕が自覚できたのは、やはり食事制限があったからだと思います。だから、新生活を組み立てていくうえで、僕にとっての食事制限のような、外的な枠組みを自分の生活のなかに取り込んで利用するというのはひとつのやり方だと思います。例えば、ゴミの分別を徹底的に実行する。で、1ヶ月間完璧にやれたら自分にご褒美をあげる、みたいな自分だけのゲームのような感覚でやってみると、楽しみながら“生活のかたち”が固まってくるんじゃないでしょうか。僕も、食事制限をやっているなかで、年に5日間だけはお酒を飲んでいいことにしていたり、月に一杯は豚骨ラーメンを食べてもいいことにしていたり、“自分にご褒美”的なことはいくつかやっています。

 それから、新生活を始めるにあたって、例えば「これをやると体にいい」とか「これをしないと、良くない」とか、生活習慣に関していろんな情報が入ってくると思いますが、そのなかにはもちろん正しいこともあるだろうし、怪しいこともあるでしょう。ただ、はっきりしているのは、その効果がみんな同じであるはずはないということです。人間の体は一人ひとり違うわけですから。だから、自分に合うものを自分でみつけなきゃいけないんです。そのために、そういうことに関してできるだけ柔軟な考え方で向き合ってほしいなと思いますし、違った環境に身を置くことになる新生活は、自分の感覚をリセット、あるいはシフトチェンジするチャンスだと思ってほしいです。

  「これをしてはいけません」とか「これをしなさい」というような話は、社会的にはいろいろな意味があったり、しかるべき出自があるはずで、大事なのはそこのところをこそちゃんと理解することです。そうでないと、例えば自分に対して寛容になってあげる、許してあげることが必要な場合でも臨機応変に対応できません。まあ、そうでなくても、許しまくってる人もいるかもしれないですが(笑)。僕のなかにはリズムがあって、ある時期にはアイデアがどんどん出てくるので、それをとりあえずいろいろな人に投げるだけで自分自身は日常のコツコツと積み上げていくようなことには何も手が着かないという状態になることがあります。あるいは、日常的にとても落ち着いていて日々の生活をちゃんとコントロールして料理までやってしまう、というような時期もあります。そういう自分のなかのブレを、長いスパンで見てあげて、人様に迷惑をかけない範囲のなかで、自分で許容してあげるといいんじゃないかなあと思うんです。

 もちろん、逆のアプローチもあると思います。しっかり律することで、ダウンなときでもとにかくやる、と。人間ってやれば、できますから。そちらのアプローチもあると思いますが、少なくともその2つのやり方のどちらがいいということはないと思うので、楽観主義者の僕は自分のなかのブレを受け入れるほうのアプローチをおススメします。新生活にうまく馴染めないことがあっても、それで落ち込むんじゃなくて、将来の自分に借金するような感覚で今できることをみつける、と。そのために部屋がちょっと散らかるのは、将来の調子が良くなったときの自分に帳尻を合わせてもらおう、みたいな感じです。そういう意識で向き合うと、新しい生活も開けていくんじゃないかと思うんですよね。


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