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Vol.183 AWSに取り組む気持ちを引き締め直す出来事がありました。

  • 2015年11月12日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 2回にわたって、旭化成パックスさんのプラスチック油化事業に関する取材レポートをご紹介しましたが、その取材のきっかけにもなった、伊東社長をはじめとする株式会社ブレスト方たち、それに旭化成パックスの方も含めたミーティングというか食事会というか、ざっくばらんな意見交換会に参加してきました。先のレポートでも書いた通り、「プラスチックは油に戻るんだよ」ということをどうやって伝えていくか?というのが中心の話題だったんですが、そこでも「大きな仕掛けをズドーンとやるのではなく、直接目を見て話せる、手の届く人とできる範囲でコツコツやっていくというのが僕のスタイル」ということはしっかりお伝えして、だからこそお互いにできることをしっかり積み重ねていきましょうということも確認してきました。もっとも、伊東社長の精力的な取り組みのおかげもあって、大きな話がいろいろ持ち込まれているみたいですから、今後もブレストさんの活躍には注目ですね。

 さて、この連載でも再三紹介しているAWSは「直接つながった人とできる範囲でコツコツやっていく」僕の取り組みのひとつですが、そのAWSの女川プロジェクトで先日ある“事件”が発生しました。女川プロジェクトの帰りのことです。途中、夜行高速バスの車中でメンバーの一人が気分が悪くなって吐いてしまったところ、乗務員が激昂して、休憩点の仙台でその子一人だけ降ろされてしまいました。20歳を過ぎたばかりの女の子が、夜中の一時に一人放り出されるということになったわけです。幸い、その後なんとか宿泊場所をみつけることができて、無事に翌日戻ってきたんですが、さすがにこの話は結果オーライというわけにはいきません。AWS側も、降りろって言われて女の子一人で降りたのは失敗でしたし、大声で怒鳴られたり、「警察呼ぶぞ」とか「100万円賠償してもらう」などと言われても、萎縮せず冷静に、なんなら警察に来てもらえばよかった話で、僕自身も今後に向けて色々勉強になりました。僕の周りの人間は、「弁護士をすぐに代理人として立てたほうがいい」とか「国土交通省に文書で通告するのがいい」とかいろいろアドバイスしてくれるし、あるいは「そもそも他にもいろいろやることがあるんだから北山が抱え込まないほうがいい」と言ってくれる人もいるんですが、でもこの件についてはプロジェクトの代表として、僕が最後まで責任を持ってやったほうがいいなと思ったので、バス会社とのいろんなやりとりを直接自分でやっています。起きてしまったことは起きてしまったこととして、学生たちの親御さんが不安にならないような対応をAWSのみんなと一緒に模索して、バス会社にもちゃんと筋を通してもらい、全体としてこのプロジェクトを続けられる形を考えているところです。

 起きた事自体は残念だし恐ろしいですが、この“事件”はAWSにとっては良い機会を与えてくれたなというにも思っています。どんなプロジェクトにもあることだと思いますが、その取り組みが一定期間続いてメンバーも慣れてくると、前提としていることに含まれているリスクをリスクとして認識しなくなってくるんですよね。立ち上げる時点ではわかっていたことでも、2年経ち、3年経ってくると、“そこは普通に事が運ぶものだ”と思ってしまうわけです。だから、定期的にそういうこと点検していかなければいけないんですが、AWSにとっては今回の出来事がはからずもそのきっかけになったなと思っているわけです。というわけで、AWSでは現在、プロジェクトを続けていく上でどんなリスクがあるのか、そのリスクは取り除けるのか、それができないとしたらやり方を変えないといけないか、といったことを詰め直しています。加えて、そういう点検を定期的にやっていくという決まりがあるといいなということを改めて思いました。で、その結果として、組織やチーム、あるいはその人たちが行っているルーティンの内容が変わっていくといいですよね。

 AWSの取り組みは、気仙沼が3年目が終わろうとしているタイミング、女川は3年目に入ったところです。僕のなかでは“最初の5年は準備期間”と思っていますが、学生にしてみれば基本的には大学生活は4年間で、3年と言えばその半分以上の期間ですから、人も入れ替わっていくわけですよね。そういうなかでは、立ち上げ時点のドタバタやモチベーションを知らず、受け継がれてきたものをただ守ればいいというふうになってしまうのが自然の流れだから、つねに作り直していくということをやっていかないといけないということを再認識するいい機会になったなと思っています。

 僕自身も、忙しさにかまけて、学生に頼る部分が最近増えていたと思うので、未成年の人間も含め、学生たちを預かっているんだということを再認識して、しっかりしなきゃなと気持ちを改めて引き締め直しているところです。

 追記:大変残念ではありますが、バス会社とのやりとりに疲れてしまい(お客様相談窓口のようなものもなく、予約センターの方が対応してくださいましたが慣れていらっしゃらないのでしょう、びっくりするようなことが度々ありました)降ろされてしまったメンバーの親御さんとも協議の上今後その会社を使わない、似たリスクをみんなで考え洗い出して対応策を考える、ということになりました。簡単な話ではないですが、一歩一歩頑張ります!

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