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Vol.162 今年最後の更新は年明けの予告編です。

  • 2014年12月25日

 みなさん、メリー・クリスマス! ゴスペラーズの北山陽一です。

 前回、前々回と、成功ということに関して書いてきましたが、仕事の上での成功ということについて、この人は、あるいはこの人たちは僕とすごく近い感受性の持ち主なんじゃないかなあと思っていた人と会うことになりました。面白法人カヤックという会社のCEOを務めている柳澤大輔さんという人です。

 柳澤くん(と言わせてもらいます)は、じつはSFCの同級生なので、顔と名前はよく知っていて、学生時代にも話したことは何度もあるはずなんです。ただ、その当時のイメージとして、こういうベンチャー企業を興して成功するというような感じがなかったので、カヤックの人だと聞いてちょっと驚きました。僕の印象では、すっごく感じのいいナイスガイ、というイメージだったんですよ。

サイコロ カヤックという会社については、いちばん最初に興味を持ったのはやっぱり「サイコロ報酬」ですよね。なんだか、面白いことをやってるなあっていう感じで。実際、彼らは“面白法人”と名乗っているわけですけど、僕から見ると、彼らは「世の中では普通こうだよね」という感じで誰も深く考えずに乗っかっている社会の土台みたいなことを一つひとつ見直している人たちだなと思うんです。で、実際にそういうことをやって例えば会社としてコストカットの成果をすごくあげていたりするわけですけど、それも“せっかくやるんだったら、成果があがったほうがかっこいいんじゃない”くらいのノリでやってる感じがするんです。で、実際に成果をあがったことを特に誇るわけでもないっていう。ただ、そういうことに感心して取材しに来た人たちの記事を見てクスクスしてたりするんじゃないかなあっていうイメージなんですけど、そういうあり方に僕はすごく共感するんです。

 そしていきなり話は飛びます。例えば幼稚園で子どもたちが騒いで制御不能状態になった場合に、新米の保母さんは「みんな、静かにしてくださ〜い!」みたいに叫んだりするそうなんですが、ベテランの保母さんはそんなことはしないんだそうです。そうじゃなくて、目の前にいる数人の子どもに向かって「これ、なんだ?」みたいな投げかけをする。そしたら、その子どもたちの誰かが答えるから、さらに次の投げかけをする。そうしていると、子どもたちみんながその投げかけに対して「なんだ?なんだ?」という感じで集まってきて、結果としてたちまち全員を掌握してしまうっていう。この話に、世の中を動かそうする試みの本質は集約されると思うんですけど、同じ意味で世の中を変えたいと思っている人が旗を振る、その振り方みたいなことに関して、カヤックという会社のあり方は非常に示唆に富んでいるような気がするんです。だから、そのあたりにことについて、できるだけいろんなことを教えてもらいたいなと思っています。

 さて、2014年の連載は今回で最後になります。今年も1年ありがとうございました。年明けは、最初からいきなり柳澤くんとの対談記事になりますが、2015年は今年以上にいろんなところに出かけて、いろんな人に会いたいと思っています。ぜひ、期待していてください。そして、みなさんも良い年をお迎え下さい。来年もよろしく!

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