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Vol.153 状況が変われば対処法も変わる。それはごくごく自然なことだと思います。

  • 2014年8月21日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 前回、「暑いのって、そんなに大変なこと?」という気持ちもあると書きましたが、“大変にきまってるじゃないか!”と思われた方が少なくないかもしれません。実際、ここのところの夏の暑さは常識はずれというか、違う国になってしまったような感じもあります。それに、それはもちろん個々人が自分の体と相談していろんな答が出てくることだとは思います。が、それにしても「暑いと何がいけないの?」「暑いと困るのはどういうことですか?」というのは一考の価値があると思うんです。だって、体温が上がれば、とりあえず免疫力は上がります。それは、悪いことではないですよね。

涼をとる さっき「最近の暑さは常識はずれ」と書きましたが、この連載で何度も書いてきた「30年続く常識はほとんどない」という考え方に従えば、夏の暑さの具合だって変わってもおかしくはない。そう考えれば、その暑さにもそれほど理不尽さを感じないんじゃないでしょうか。だって、ハワイに行って、暑いと文句言う人はいないですよね。つまり、想定していた通りの気候なら受け入れやすいけど、“こんなに暑いはずじゃない”という気持ちがあるから、それに対処できないということなんじゃないかなっていう。違う角度から見れば、「環境が変わったのに、変わる前と同じことをしようとしているというところに問題があるんじゃないかと考えてみてはどうでしょうか?」ということなんです。例えば、夏と冬と同じような仕事のやり方、過ごし方をするというのはどうなんでしょう? ちょっと極端な話かもしれないけど、会社の中ではちゃんとネクタイを締めるにしても、夏は外に出るときや通勤のときは着替えて、できるだけ暑くないかっこうにする、というのを試してみる、あるいは職場で提案してみるのはどうでしょうか? もちろん、それは大変というか、面倒なことだとは思うんですが、でも敢えて「本当にできないことですかね?」と聞いてみたい気はするんですよね。実際、サマータイムを採用する会社や、社内にシャワーを用意する会社が出てきたりしています。もっともっと出てきていいんじゃないかと僕は思うんです。勤務時間について、「昼頃はいちばん暑いから昼寝して、午前中と夕方以降にがんばる」なんていう提案はどうでしょうか? どんなアイデアでも、ある程度の意欲を持って支持するする人が一定数いれば、やってみてほしいと思うんです。まあ、昼寝タイムはちょっと現実的ではないにしても(笑)、20年前よりも暑くなっているなら、20年前とは違う対処法が採られるのは自然なことですよね。「これまでやってこなかったから、やらない」というほうが、よほど不自然だと思います。常識や定番、「普通、こうするよね」といったことにとらわれていると、結果としてずいぶん不自然で不合理なことをやってしまったというケースはけっこうありますよね。

 ただ、「常識を否定しろ!」というような単純な話でもないとは思います。30年続く常識はないとしても、逆に言えば「20年くらいはみんなの共通認識として有効」なのが常識というものなんだろうと思います。だから、大事なのはどういう距離感で付き合うかということなんですよ。常識的な人間なのかどうかあまり自信がない僕が(笑)、常識との付き合い方について語るのもなんだか妙な気分ですが、次回はそのあたりのことを書いてみたいと思います。どうぞ、お楽しみに。

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