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Vol.73 山陰旅行記

  • 2014年12月4日

 先日、10日間ほどライブツアーに出ていました。「HARCO Solo Tour "Between The Bookends"」と題して、曲の合間に僕の好きな本について解説する、一風変わったスタイルのワンマンライブ。本を5〜6冊ほど紹介しながら、世界観に近い楽曲や、その本から影響を受けて作った楽曲などを、お客さんに聴いてもらいました。

 ライブはおもに週末なので、平日に東京に戻ることもできたのですが、今回はひとり旅をすることに。京都、東広島、福岡、熊本でのツアーの合間に、鳥取と島根の山陰旅行にでかけたり、友人がいる他の街へ訪れたり。新たなライブスペースを探すべく、各地で10件近いお店にお邪魔して、下見をさせてもらったりもしました。

 山陰地方は、今まで一度も訪れたことのない場所で、ずっと憧れを持っていました。秋の薄手のコートで出掛けたのですが、11月のなかでもちょうど冷え込む時期で、うっすらと雪がちらつく日もあるくらい。友人に紹介してもらった服屋で、たまらずセーターを買いました。日本海側はこの季節、やっぱり寒いですね。

 島根県はまず松江にでかけました。出雲そばのお店や、「耳なし芳一」「雪女」などの怪談で有名な小泉八雲の記念館、松江城や武家屋敷を巡り、本屋さんやカフェなどをあちこち回りました。松江出身の文化人や、地元ミュージシャンなどが集う「喫茶MG」には、昼と夜、1日に2回も足を運びました。美味しいと噂のカツ丼が、昼はドリンクのみで食べられなかったからです。その合間に見た宍道湖の夕日は奇麗だったなぁ。

宍道湖の夕日

 鳥取県は日本百名山の大山(だいせん)の方へ向かいます。植田正治写真館から山を登り、丘の上のパン屋「コウボパン 小さじいち」へ。そこから三朝温泉を経由して、三徳山投入堂(みとくさん・なげいれどう)へ向かいました。今回ここへ参拝するために、登山靴を持参。というのも、あまりにも険しい山道を、それなりの覚悟を決めて登らなければ、けして参拝できないからです。

 紅葉の美しい景色をときおり眺めながら、岩場の鎖や木の根っこを頼りにひたすら進みます。1時間ほど経って目の前に現れたのは、息を飲むほどの断崖絶壁に悠然と建つ建造物。まるで中国の奥地に迷い込んだようです。平安時代の849年に建てられたそうで、国宝に指定されています。かつての修験道を志す人たちは、さらにもっと奥地へと分け入って、修行を積んでいたそうです。

三徳山投入堂(みとくさん・なげいれどう)

 翌日、鳥取砂丘にも向かいたかったのですが、雨で断念。日本海沿いを西へ戻り、出雲大社へ。昨年2013年は、出雲大社が60年に1度の本殿遷宮を、そして伊勢神宮が20年に1度の式年遷宮を迎えた年でした。そして今年は遷宮翌年に当たるので、どちらに参拝しても、神様から特別なご利益を授かることができる「おかげ参り」をしたことになるのだそうです。あやかれるものならあやかりたいとばかりに、半ば浮き足立ちながら向かいます。

出雲大社

 長い参道を歩いて拝殿へ。その隣の神楽殿にある日本一の大注連縄(おおしめなわ)は、長さ13m、太さ8m、重さは5トンもあるそうです。ひゃあ、でかい。二礼、四拍手、一礼、神様にご挨拶。

 その後はさらに日本海を西へ進みます。どこも海風が強いのか、風力発電の風車が目立ちました。なかには10機連なる海岸も。波の荒れる海を背にして、山陰の風景をもう一度見つめました。ここから山口県の萩を経由して、九州の親戚の家に向かうのですが、続きは次回で書きたいと思います。どうぞお楽しみに。

海岸




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