サイト内
ウェブ

Vol.20 きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 東京 その2

  • 2012年10月11日

 前回に続き、7/29に行われた「きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 東京」のレポートをお届けします。ゲストはNPO法人プラス・アーツ代表の永田宏和さん。前回は「地震イツモノート」のことや、地震のメカニズムなどについてお聞きしましたが、今回は防災グッズについて、そして被災したときの応急手当についての話をお届けします。

 会場ではクイズが行われました。最低限必要な防災グッズ16品目を一度スライドで映して、それを皆さんに1分間で暗記してもらいました。そのうちの幾つかを永田さんに紹介していただきましょう。

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 東京 その2

ヘッドライト
「懐中電灯も大切ですが、両手が空く方が圧倒的にいいです。夜になっても荷物が運べるし、人の手当ができます。家族人数分のヘッドライトをぜひ。帰宅困難で帰るときにも便利です。」

「飲み水としてひとり1日3リットルを家族3日分。これには根拠があります。成人男性が出す一日の尿が1.5リットル、成人女性が1.2リットル、さらに汗や毛穴からの蒸発などで失う水の量が1日1リットル。多めに換算して3リットルということですが、2リットルとして数えても大きな問題はないと思います。」
新聞紙
「上手に折れば食器が作れます。そもそも水が足りないので貴重な水を洗い水にすることは出来ず、紙のお皿にラップやビニールをかぶせて、それを交換することで毎回食事ができます。」
救急セット
「消毒液とか包帯も必要ですが、とくに用意してもらいたいのは常備薬とデンタルリンス。 デンタルリンスは水が出なくなると歯が磨けなくなるし、歯が不衛生になると肺炎になってしまうこともあるんですよ。子どもや老人に多く、それで亡くなる人もいました。」
非常食
「非常食の世界も変わって来ています。消費期限が切れていたり、長期間保存が効くものになるとおいしくなかったりすることが多いんです。だから普段使いしているレトルトを非常食にしようと。3日分と言われているので9食、余裕を持って12食とします。それを月に1回食べて、食べたら買い足すを繰り返せば、1年で全部入れ替わるんです。これをローリングストック法といいます。」
携帯ラジオ
「被災したとき、自分で情報が取れるのがいちばんいいですね。デマにも惑わされないし。乾電池は消費期限があるので注意してください。」
ポリ袋
「食べ物を分けるときや、水が出なくて調理するときの衛生管理としてなど、いろんなところで使います。水を運ぶときに汚いバケツしかなくても、これをバケツに被せれば大丈夫。小、中、大と大きさの違うものをそれぞれ1パックずつ程度準備してほしいですね。」
ラップ
「食器に被せるのはもちろん、包帯にもなります。切り傷に消毒したあと密着させると、治りが早いんですよ。消防や赤十字でも推奨しています。」
レインコート
「雨や風はもちろん、ホコリ対策にもなります。震災で崩れた家々のすべてのホコリが蔓延しているわけですから。皮膚が弱い人にとっても辛い状況なのです。」
携帯トイレ
「奨励しているのは、中に吸収シートが入っていて匂いを消してくれるタイプ。耐えられないくらいすごい匂いになるんですよ。水の張っているトイレで使うときは、底面が濡れないようにトイレの便器にビニール袋を先にかぶせて、その上から携帯トイレを使ってください」

 ほかには「軍手」「衣類・タオル」「ウェットティッシュ」「ロープ」「通帳・印鑑・カード」「現金」がありました。ここまでを読んで「これが必要だ」と思った人は、ぜひ早めに買って準備してください。いざ地震が起こると品切れになりますから。続いて、僕がモデルになって応急手当の実践講座が行われました。

 永田さん:「切り傷で出血する、転んだり物が落ちて来て骨折する、このふたつが被災地でのけがの例として一番多いんですよ。まずは止血の方法です。肘と手首の間のどこかが切れているとします。昔の映画だと腕の付け根をぐっと布で縛ったりしますが、あれを続けると組織が壊死しやすいのでたまに緩めてあげないといけない。それよりも直接圧迫止血法と言って、傷口の上に布を当てて上から手でぎゅっと掴むんですね。その際、救助する人はビニールなどで手を包むこと。血は尿より汚いと言われています。そして傷口を心臓より上にすること。布を無闇にはずすのは避け、血で布が湿って来たら、さらに上から布をかぶせます。いつか止まりますから。そこに例えばネクタイがあれば、布の上からぎゅっと結べます。絶対に結び目が傷口に来ないように。固い団子結びでいいです、病院で鋏で切りますから。」

 永田さん:「次は骨折です。まずは添え木なんですが、必ずしも木を探さなくてもよくて、折り畳み傘、新聞紙、雑誌で十分できます。腕を骨折したとしたら、4つ折りにした新聞紙を、怪我した人に空いている片手で一旦持ってもらって、手ぬぐいやハンカチ、ネクタイで結びます。ここで役立つのがコンビニ袋。両端の線が入っているところを千切ってください。そこに腕を通して、取っ手の部分を首にかければ、、、このように簡単に吊るせます(会場からオーッと歓声)。」

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 東京 その2

 このほか、みんなで新聞紙を使って被災したとき用のお皿を作ったりと、実践講座も大変充実しました。今回の永田さんのお話の多くは、「地震ITSUMO.COM」のページにオープンソースとして公開されており、誰でもダウンロードすることができます。寄藤文平さんのイラストがとっても分かりやすく、大変ためになるページです、ぜひご覧ください。最後に永田さんはこう仰っていました。「震災に対して、あの手この手を知っていた方がいいです。これがダメなら次、ダメなら次と、複数のやり方を覚えておかなければいけない、そう思います。」

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 東京 その2

 10回目となったこの夏の「きこえる・シンポジウム」。浜松ではOMソーラーの社内見学、東京では短編映画を上映し、どちらもトークとライブ以外の新しいプログラムに挑戦できた2日間でした。次回は今年のちょうどクリスマス・イヴに、東京・吉祥寺で「食」をテーマに行う予定です。詳細が決まり次第こちらでもお知らせしますので、しばらくお待ちください。


キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。