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Vol.18 きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 浜松 その2

  • 2012年9月13日

 前回に引き続き、7/28、浜松の地球のたまごで行われた「きこえる・ シンポジウム 2012 夏」についてお送りします。OMソーラーの村田昌樹さん、ひなたカフェの村松正規さん、僕HARCO、Quinkaでのトークの続きから。これからのエネルギーの課題についてや、防災のことにも話が及びました。

 村田さん:「家で使っているエネルギーって、冷房は1年間で2〜3%だけなんですね。25%が暖房、30%が給湯で、残りがいわゆる家電。OMソーラーでは暖房と給湯をまかなえます。日本人は毎日お風呂に浸かるので、お湯をかなり使う国。1回で200リットルくらい使うんですね。太陽熱温水器というのは昔からありますが、本当にあれがいちばん省エネの設備です。」

左から村田さん、村松さん、HARCO、Quinka
左から村田さん、村松さん、HARCO、Quinka
 

 HARCO:「僕らは集合住宅なんで具体的な自然エネルギー導入はまだ難しいですが、固定価格買取制度が始まりましたよね。ひとりひとりが負担するという形で、僕らのような太陽光パネルや温水器を付けていない人でも協力できるのかなぁと思うのですが。」

 村松さん:「今、太陽光で発電した電力は1キロワット辺り42円で売れるから、10年ほどで元が取れますと言っているところは多いと思います。でも衝撃的な話をすると、それはその電気が売れたらの話で、売れなくなる時代が早々に来るかもしれないと。そもそも電気が流れるというのは、水の流れと同じで電圧が高いところから低いところへ流れます。標準の電圧は100ボルトなのでそれよりも太陽光パネルで作った電圧を高くするんですが、普及した結果、多数の家が太陽光発電を始めます。一方で日中の電力消費が少ないエリアの場合は、結果的に供給電線の電圧が高くなるため、発電はしても電気が流せない。つまり、太陽光発電がそのエリアで普及していくと、発電はしても売れなくなる時期が早晩訪れると言われていますから、資金回収だけで決めるべきではないでしょう。」

 HARCO:「原発にいつまでも依存するくらいなら、いっそのこと売れなくなるくらい普及してほしいです。フレキシブルに電気自動車に貯めるとか。」

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 浜松 その2
 村田さん:「今、太陽エネルギー産業に関して世界一なのは中国です。この中国国内では、実は太陽光発電よりも太陽熱温水器の方が普及してるんです。自国のエネルギーの供給には、安くて効率のいい太陽熱温水器を普及させて、国外には太陽光発電をどんどん売っている。それを日本のように税金を使ってまで買ってくれる国がいるわけです。外国からお金を稼ぎながら、国内のエネルギーは太陽熱温水器でまかなうなんて賢いなぁ、と思います。もちろん太陽光発電が普及することは日本にとってもいいことなんですけどね。」

 Quinka:「OMソーラー=太陽熱って、知らない人の方がおそらくまだ多いですよね。雑誌の漫画にも紹介されたと仰ってましたが、まだまだ太陽光発電の宣伝が凄すぎて、他の選択肢が届きづらい。」

 村田さん:「東京都が行っている『熱は熱で』というキャンペーンがあるんですよ。自治体の人がそういうことを言ってくれるようになって。太陽光は放っておいても広がるかもしれないけど、次は太陽熱を広げなきゃいけないね、と。」

 Quinka:「では最後にもうひとつの話題を。私は静岡(K-MIX)でラジオをやっているので、東海地震のこともよく耳にするんですけど、静岡ではよく小学生がヘルメットをかぶって通学してますよね。地震対策、防災の意識としてそういうことをしていると聞くんですけど。」

 村松さん「僕の頃は防災ずきんでした。椅子に敷いておくんですよね。静岡では僕が11歳の頃、1976年に東海地震説が出されたのですが、当時、東大の若手の先生が東海地震の空白域に着目し、駿河湾沖を震源とした東海地震が切迫しているのは間違いないだろうと発表しました。それにより、地震対策強化地域に指定され、静岡県条例によって独自に建築基準法の3割増しの耐震性が要求されるようになりました。」

 HARCO:「今日は防災グッズをご持参頂いたので、それを見ながらお話を伺っても良いですか。」

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 浜松 その2
 村松さん:「僕は自称防災オタクなんですが、基本的にアウトドアが好きなものですから、好きなアウトドアグッズで集めていってます。阪神淡路大震災のときのことを参考にさせてもらったんですが、被災した場合はショックでなかなか喉を通らないんだそうです。だから冷たいものや乾パンよりも、自分が好きなものを常備しなさいと。しっかり食べないと片付けも出来ないんで。ちなみに、子どもが赤ちゃんのときはミルクを入れてました。
 これは携帯用浄水器、約500リットル濾過できます。お風呂の水やプールの水のなかに入れてシュコンシュコンと。ぼくは川に行くときにこれでコーヒーを入れてます。こちらはガスボンベやコンロ。カレーを作ったりできますね。マグライトやLEDのヘッドランプも欠かせないです。想像してみてください、本当に東海地震が来て全部がぺしゃんこになったような状態のなかでは、夜はこの自分の手さえ見えないと思ってください。不安になるんですよ。そこかしこにライトがあるといいと思います。」

 防災グッズの紹介では、村松さん、白熱していましたね。トークコーナーのあとは、僕とQuinka,with a Yawn、そしてふたり合わせたHARQUAとして、サポートギタリストのフタキダイスケくんを交えながら楽しく演奏しました。目の前に浜名湖を一望でき、ライブをする環境としては今までないくらい快適でした。

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 浜松 その2 

きこえる・シンポジウム 2012 夏 in 浜松 その2
 陽が傾く頃、希望する方を募って敷地内にあるOMソーラーのモデルハウスを見学しました。東京大学の研究チームと共同で省エネ性能、温熱環境の実測を行っているということで、この日もたくさんの計器が各部屋に置かれていました。電気やガスをなるべく使わずに生活でき、光と風がちょうどよく家に注ぎ込むように計算されています。

 この日はおひさまスタイルの温野まきさんが取材で訪れてくれました。こちらのブログでも詳しく紹介されていますので、合わせて読んでみてください。次回はこの翌日、7/29に行われた東京でのきこえる・シンポジウムについて、お届けします。

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