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Vol.4 ミシンでお仕事プロジェクト

  • 2012年2月23日

 昨年の12月、カタログハウス本社で行われた、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」代表の西條剛央さんと、ほぼ日刊イトイ新聞でおなじみの糸井重里さんとの対談を聞きに行きました。そのとき会場で販売されていたのが、ふんばろう東日本のなかの、「ミシンでお仕事プロジェクト」で作られたエコバックでした。

エコバック
エコバック
 エコバックはいろいろと持っているのですが、比較的大きめで簡単にたためるものが欲しかったので購入しました。それになんといっても、被災地のひとつである南三陸町の、仮設住宅などに住むお母さんたちが作っている、というのが印象的でした。

 僕が買ったものは、布の生地に木の籠のような編み目が描かれている、ある意味トリックアートともいえるデザイン。実はこれはもともと、ふとんの生地だったようです。他にはカーテンの生地で出来たものもありました。

 それにはふとん屋さんや、全国のカーテンメーカーからの寄付もあったそうですが、縫うためのミシンも全国からの寄付で集められたとのこと。使わなくなったミシンの他、ひとつ2万円で新たにミシンが購入できます。例えば200万円の寄付が集まれば、100台、つまり100人の人が自宅で作業できます。

 そういった全国からの支援と共に発足されたのが、この「ミシンでお仕事プロジェクト」。僕はとても感銘を受け、何か一緒に出来ませんかと声をかけさせていただきました。その結果、HARCOタグを付けたコラボグッズが出来上がり、僕の全国ライブツアーの会場で商品を販売することになりました。


 グッズを作るにあたって、このプロジェクトのリーダーである熊谷安利さんに初めてお会いしたときにも、いろんなお話を伺いました。南三陸町では漁業に携わっている人が多く、100叟あった漁船が10叟だけになってしまい、お父さんたちはワークシェアリングという形で、残された船を交代しながら漁に出ていました。やがて徐々に余裕が出て来たら、息子も一緒に行くようになり、働く時間も増やし、、、。それでも、本来は牡蠣剥きやワカメの養殖などといった形で手伝っていたお母さんたちの出番は、まだなかなか無いわけです。

 おうちのご飯を作る以外の、空いた時間を仮設住宅でただ過ごしていても、考えたくないことまで考えてしまいます。そんなときに、ミシンひとつで没頭する時間が出来ることは、なによりの喜びだったそうです。さらにそれが仕事に繋がって、生活に生かせるのなら、素敵なことです。

 というわけで、今年の1月から始まった僕の「HARCO生誕15周年ツアー 生姜・冬瓜・雲呑の旅」(一風変わったタイトルですが、3人編成をスープの具材に見立てています。また15歳ではなく、この名前で始めて15年という意味です、あしからず)。このツアーグッズとして販売することになったのは、エコバック、エプロン、コースターです。ひとつひとつの金額は、初歩的な経費を除いて、作ってくれた皆さんに直接渡ります。一会場50〜100人くらいの規模ではありますが、皆さんに実際に手に取って買っていってもらいました。

グッズ売り場
グッズ売り場

 会場では作ってくださった方々のお名前や写真もグッズと並べて掲示しました。持ち帰ったお客さんが、使うたびに家族や友人の皆さんにこのことを話してもらえると、いいなぁと思います。そして全国ツアーというのは、こういうことを各地に広めたいときの、ひとつの場であって、販路でもあるんだなぁと気付きました。ちなみに2/25は尾道、26は福岡に行きますので、お近くの方はぜひ!

 演出家の宮本亜門さんも、このプロジェクトのグッズを演劇の会場で販売したり現地にも行ったりと、大きく貢献されているようです。さらに、全国各地のお店でも少しずつ販売するところが増えてきているとのこと。こういった自立支援、労働支援は今後も持続可能なものであり、震災から1年が経とうとしている今こそ注目されるべき支援だと思います。この先も注目してもらえると嬉しいです。



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