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水金地火木土天海ー。我々の住む地球から近い惑星というと火星もしくは金星なのではないかと考えてしまいます。
しかし、革新的な計算方法を用いることで、その答えが変わることがあるのです。
この考え方は、数十年にわたる天文学の常識を変えるものであり、将来の宇宙探査にとっても興味深い意味合いを持つものかもしれません。
NASAとアメリカ陸軍工兵研究開発センターの科学者たちは、惑星間の距離について、新たな考え方を提示しました。
「点-円法(point-circle method)」という計算方法では、惑星同士の最接近距離ではなく、時間を通じた平均距離を計算するのです。
この方法を用いて惑星間距離を割り出すと、時間を通じた平均距離で地球にもっとも近い惑星は火星でも金星でもなく、水星だったのでした。
この結果の背景には「水星の公転の速さ」という要因があります。一見すると遠くにあるようでも、水星は非常に素早く太陽を公転しているため、他の惑星よりも地球と同じ側にいる時間が長いんです。
こうした事実は、より高度な測定技術で長期的な軌道力学を考慮することで明らかになりました。
この考え方に基づくと「水星がもっとも近い」という関係は地球だけにとどまらず、水星は、太陽系内のすべての惑星にとって平均的に最も近い惑星ということになるんです。
この新たな考え方は、私たちが宇宙における空間的関係をどのように捉えるかを根本的に変えるものであり、将来の惑星間探査のあり方にも影響を与える可能性があります。
水星が地球に最も接近する時の距離は7700万kmとされています。地球レベルの感覚では、途方もない距離に感じられるかもしれませんが、宇宙スケールでは非常に近い距離と言えるでしょう。
NASAの宇宙探査機、パーカー・ソーラー・プローブのような速度で航行できる宇宙船なら、約5時間ほどで水星に到着できる可能性があります。わずか半日以内に他の惑星に到達できるという可能性の浮上は未来の惑星旅行にも期待が高まります。
現在の技術では、人間がパーカー・ソーラー・プローブのような速度で移動することは不可能ですが、数時間で他の惑星に行ける可能性があるというのは非常にロマンがありますね。
とはいえ、マイナス173℃から427℃という極端な温度があり、大気が実質的に存在しない水星の環境は、人間にとってはあまりに過酷なものです。しばらくの間は、ロボット探査機などの活躍に期待するしかなさそう。
こうした発見から、水星が「平均的に最も近い惑星」として新たに位置づけられることにより、惑星の科学的優先順位や太陽系探査への資源配分に影響があることも考えられます。いつの日か、人間が水星に降り立つ日も来るのかも?
我々にとって、もっとも身近な宇宙である太陽系にも、まだまだ謎は多そうです。
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