アメリカはカリフォルニアのディズニーランド・リゾートが、開園70周年のセレブレーションイヤーをスタート。70周年をお祝いするイベントや限定グッズ・フード、スペシャルデコレーションなどが2026年夏まで続々と登場します。
が、その中でも目を惹くのが「ロボット・ウォルト・ディズニー」の存在です。
70周年特別イベントとして、ディズニーの生みの親であるウォルト・ディズニーがロボットで復活します。
カリフォルニア州のディズニーランド、メインストリート・オペラハウスでは「ウォルト・ディズニー:マジカル・ライフ」と題したアトラクションがスタート。ウォルト・ディズニーのロボット(オーディオ・アニマトロニクス・フィギュア)が登場し、ウォルト自身が自分の生涯について語る内容になっています。
ディズニーいわく、ウォルト・ディズニーがロボットとして登場するのはディズニー史上初。
記念アトラクションが発表されたのは、ディズニーのファンイベントD23 Expo 2024。
世界のディズニー・テーマパークの設計や技術開発を手がけるウォルト・ディズニー・イマジニアリングが、ウォルトのロボット開発を行っているという発表には、ファンから賛成・反対どちらの声もあがりました。
記念アトラクションの発表では、大叔父がウォルトにあたるロイ・パトリック・ディズニー氏が登場し、ロボウォルトのアイディアに賛成する姿勢を見せました。
一方、ウォルトの孫にあたるJohanna Miller氏は「祖父がロボットになるというアイディアで、彼がどんな人物だったかを知ってもらうなんて理解できない。結局は偽物でしかない」とFacebookにポストし、ウォルトはロボットの形での復活は望まないだろうと懸念の声をあげました。
ウォルト・ディズニー・イマジニアリングのTom Fitzgerald氏は、ディズニーの技術をもって常に進化し続けることは、ウォルトの思想に基づくとし今回のロボット開発を行なったと、LA Timesの取材にて語っています。「彼の生涯はすでにさまざまな形で語られてきました。ディズニーランドという独自の場所で、ここでした体験できない方法で、観客のために何ができるか…。技術も追いついたと感じる今、今までにないフレッシュな方法で彼の生涯を語る必要があると考えました」
ウォルト・ディズニー・ファミリー博物館のKirsten Komoroske館長も、ディズニー一家から許可を得たとして今回のロボット・ウォルトを支持しています。
一方で、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングは、個人それぞれの意見やかつてウォルトとプライベートで彼らが話したことまではわからないとして、親族一人一人の意見を尊重。今回のロボット・ウォルトでも、親族が置いてけぼりにならないよう最善を尽くした、といいます。
なぜ、今、ウォルト・ディズニーをロボット化したのか。
Fitzgerald氏いわく、その理由は2つ。1つはディズニーランド70周年という記念イヤーだから。そしてもう1つは、Fitzgerald氏自身が子どものころ、毎週、テレビでウォルト・ディズニーを見ていたからです。
当時を知る人間にとって、ウォルトは毎週テレビで見る気のいいおじさんでした。ただ、現代では「ウォルト・ディズニー」を1人の人間ではなく、企業としてとらえる人が増えたと感じているそう。ウォルトをウォルトという1人の人間として知ってもらうためのロボットなのです。