トランプ関税でクルマの駆け込み需要急増。テスラだけ売れ残る事態に

  • 2025年4月25日
  • Gizmodo Japan

トランプ関税でクルマの駆け込み需要急増。テスラだけ売れ残る事態に
Image: ice_blue / Shutterstock.com

トランプ政権による世界との貿易戦争の激化を受け、アメリカの人々が恐ろしい関税導入を前に買い漁っているのは、スマホや電子機器だけではありません。

自動車業界の大手マーケティング会社 Cox Automotiveの調査によると、アメリカ国内における新車と中古車の在庫が減少しており、消費者が価格高騰前に自動車を購入しようと急いでいることが分かります。

関税の影響で混乱

データによれば、日々の推定販売ペースに基づく新車の市場在庫は、3月の91日分から4月は70日分まで急落しました。

中古車の在庫はもともと少なく43日分しかなかったのが、関税発効後は39日分まで減少しています。Coxの販売データもこれを裏付けており、新車の販売は例年より22%も増加、今年の累計販売でも約10%の伸びを見せています。中古車も前年比7%増と好調です。

新車も中古車も在庫薄

自動車ディーラー各社は、関税に備えて事前に在庫を積み増していましたが、それでも供給不足は避けられていません。

原因は4月初めに開始された25%の輸入車関税です。日本時間の4月3日午後1時過ぎに発動され、準備期間として1カ月の猶予があります。

トランプ大統領は一部の関税を取りやめたものの、自動車に関する関税については撤回せず…。さらに5月からは輸入車部品にも同様の関税がかかる予定で、多くの部品や素材を海外から輸入しているアメリカ国内では、生産体制を拡充するには逆風となっています。

テスラ車だけは在庫が潤沢

ほとんどの自動車ディーラーが在庫減少に直面する一方、テスラ車だけは在庫が潤沢なようです。

Reutersの報道によれば、2025年第1四半期におけるカリフォルニア州でのテスラの販売は15%減少しており、これは同社の世界的な販売減(13%減)とほぼ一致しています。

これは過去3年で最も低い水準。 この販売不振により、テスラは電気自動車市場での支配的地位を失いつつあり、カリフォルニア州では50%以下のシェアにまで落ち込みました。

Bloombergによると、他のEVメーカーの販売は年初から35%増加しており、テスラだけが取り残されている形です。テスラの凋落には、イーロン・マスク氏の過激なSNS投稿や、政府機関に対する攻撃的な姿勢がブランドイメージを傷つけたとの指摘もあります。テスラのディーラーが攻撃の対象とされるのも、「売れ残った車がたくさんある」からというのがなんとも皮肉ですね。

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