2016年に公開された映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、帝国軍による究極の破壊兵器ことデス・スターの設計図を盗み出すために活躍した反乱同盟軍の様子が描かれましたが、そのメンバーの1人として大義に身を捧げたのが反乱軍の情報将校 キャシアン・アンドーでした。
そんな彼の過去を描いたのがドラマ『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』。いよいよこれからが本番のシーズン2は全12話構成で4年間の出来事が描かれますが、反乱軍誕生の物語はどのように『ローグ・ワン』へと繋がるのかが期待されます。
スター・ウォーズは反乱軍vs帝国軍の物語ですが、本シリーズでは元老院議員のモン・モスマや帝国保安局のデドラ・ミーロなど、それぞれ立場が全く異なる人物たちにもしっかりとフォーカスが当てられたヒューマンドラマ兼社会派作品として丁寧に描かれています。アクション重視というよりかは政治的要素がギュッと詰まった全く新しい視点のスター・ウォーズ作品として楽しめるのが特徴です。
『ローグ・ワン』や本シリーズのキャシアン・アンドー役でお馴染みのディエゴ・ルナ氏は俳優としてはもちろん、ときには監督や製作も務める超多才な人物。ドラマ『キャシアン・アンドー』シリーズでは主演に加えて実は製作総指揮も担当されていますが、今回直接ご本人にインタビューをする機会をいただいたので、製作総指揮側としての質問とディエゴ氏がスター・ウォーズに惹かれる理由をお聞きしてきました。
Photo: はらいさん──スター・ウォーズは政治的要素の多い作品で、ドラマ『キャシアン・アンドー』では帝国軍によって自由を奪われた人々の姿がリアルに描かれていました。製作総指揮の立場として現代の社会情勢を意識した部分はありますか?
ディエゴ・ルナ:実は全くそういうことは考えませんでした。僕らにとって未来を予測することは出来ないことの1つであり、『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』シーズン2の脚本は約2年半前にほぼ完成していました。
本シリーズの製作総指揮を務めたトニー・ギルロイは脚本を書くなかで割と近代史を参考にしていました。革命にはさまざまな形が存在しますが、私たちは長い歴史の中でそれらを目撃し、学びながら成長してきました。これまでもフランスやメキシコなど世界中で革命は実際に起こりましたが、そういった過去に起きた出来事を参考にした部分はたくさんあると思います。
Image: (C)2025 Lucasfilm Ltd.ですが、そのなかで悲しいと思うことはやはり歴史は繰り返されてしまう傾向があるということです。人間はなぜか過去の経験から学ぶことができず、今私たちはとても近い状況の中で日々暮らしています。
だからこそ本シリーズは今見るべき作品でもありますが、10年後、50年後だって見るべき作品になると思うんです。その理由は、私たちは常にコミュニティーの一員として関わることの大切さを思い出し続けなければいけないからだと思っています。ドラマ『キャシアン・アンドー』がそういった想いを忘れないためのきっかけになってくれればいいなと思っています。
Image: (C)2025 Lucasfilm Ltd.──ドラマ『キャシアン・アンドー』シリーズを含めてスター・ウォーズの世界には数多くの種族や惑星、ドロイド、乗り物が登場します。ご自身も子供の頃からスター・ウォーズのファンとお聞きしましたが、ディエゴ氏がスター・ウォーズに惹かれる理由、また人生においてスター・ウォーズはどんな存在かお聞かせください。
ディエゴ・ルナ:実は僕は『スター・ウォーズ /新たなる希望 (エピソード4)』と強い繋がりを持っていて、子供の頃に見たときは本当に強い衝撃を受けました。そのときに「この作品の一部になりたい、映画作りに関わりたい」と思い始めました。それに、当時いとこたちが夢中になっていたファンタジーの世界に1番年下だった僕も参加したい、仲間に入りたいという気持ちがあったんだと思います。
Image: (C)2025 Lucasfilm Ltd.僕がスター・ウォーズで好きなところは、ソーシャル・コメンタリー(社会についての自分達の見方みたいなもの)をツールとして活用できることです。これはSF(サイエンス・フィクション)の強みですよね。SF的要素があるからこそ現実社会に対してコメントをすることができます。なぜかというと僕らは自分達の現実に疑問を持っているからです。
スター・ウォーズは「はるかかなたの銀河系」が舞台なわけで、その世界に入り込むことで僕らは現実社会に対していろいろなコメントをすることができます。スター・ウォーズという作品を通してお互いの現実について話すこともできますよね。これはやはり他のフィクション作品ではなかなか実現しないことなのでとても気に入っています。
それとスター・ウォーズにはユーモアとファンタジー、そしてアドベンチャー要素が混ざっていることに加えて、その背景にある政治的な要素も含めて僕はとても好きです。
『スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー』シーズン2は4月23日(水)よりディズニープラスにて日米同時独占配信開始です。
Source: 『キャシアン・アンドー』, YouTube