イーロン・マスク率いるNeuralinkの脳直結コンピューター。脳内チップを埋め込むテクノロジーですが、初めて実際に人間の脳にチップを埋め込む手術が行なわれたのは1年ほど前。その後、被験者2人目ではビデオゲームをプレイする様子も公開されました。現時点、この手術をNeuralinkで受けたのは3人。これに追いつけ追い越せと猛勢しているのが中国の企業です。
ロイターの報道によれば、中国の脳チップ研究グループが、被験者3人目の脳埋め込みチップ手術に成功。脳チップで先頭を行くNeuralinkと、正式な被験者数で並びました。中国は年内にさらに10人の手術を予定。
脳埋め込みチップ(脳コンピューターインターフェース・BCI:Brain-Computer Interfaces)を開発するのは、中国の北京脳科学研究所(CIBR)と国営企業のNeuCyber NeuroTechのコラボグループ。開発する脳チップ「Beinao No.1」は、以前から人間での試用が始まっており、昨年リリースされた動画では、身体麻痺のある被験者がロボットアームを操作し、コップに水を注ぐ様子が公開されました。
今後2026年までに、50人に手術を行ないたい考えとのことです。
イーロン・マスク氏がNeuralinkを創業したのは2016年。研究・実験を繰り返し、2024年頭に初となるヒトでの検証が行われ、成功を収めました。
中華人民共和国工業情報化部が、脳チップ=BCI技術に興味を示したのも昨年のこと。ハンズフリーでの運転、VR、医療リハビリなどの分野で使用を視野に、技術的ブレイクスルーになると期待をよせています。
興味を示しているのは中国政府だけではありません。Neuralinkと同じ米国企業SynchronもBCI技術の研究開発を進めており、すでに10人の被験者で試用中。実はこの企業、ジェフ・ベゾス氏とビル・ゲイツ氏がバックアップしています。
電気自動車、AI、宇宙開発…。テックビリオネアや中国の開発バトルは、本当に多岐にわたって展開されてます…。
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