宇宙望遠鏡が撮影する画像は、いつ見ても息をのむような美しさがありますね。それが、2つの原始星が互いにジェットを吹き合うようなバイオレンスなシーンだとしても。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載されている近赤外線カメラ(NIRCam)が撮影した「Lynds 483」。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のリリースによると、この画像は、2つの星が今まさに形作られようとしている瞬間を捉えています。
どちらの原始星も、ともに柱のようなジェットを吹いていますが、実は数万年も続いており、これからさらに数百万年続くそうです。最終的には太陽ほどの質量の星が誕生するとのこと。それまでは、塵がガスを吐きまくる日々。
面白いのは、星が2つ生まれようとしていることで、互いが吹き出すジェットで物質が混ざり合い、交換している状態にあること。これによって、一酸化炭素やメタノールなどさまざまな有機化合物ができるといいます。
Image: NASA, ESA, CSA, STScIセーラームーンの変身シーンの背景で使ってほしいくらいファンタジックな画像ですが、もし宇宙に行ってこれを見ることができても、肉眼ではこのようには見えません。
宇宙研究のデータとして、特定の波長のみをフィルターにかけ可視化したことで、このビジュアルが仕上がっています。
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