1965年に誕生したカシオ計算機初のメモリー付き電子式卓上計算機が2025年で60周年を迎えます。これを記念し、「電卓」と「電子音楽」にフィーチャーしたイベント「60th HISTORY OF CASIO ELECTRONIC DESKTOP CALCULATOR〜電卓とエレクトロミュージックを超絶浴びまくる150MIN!!!」が、3月21日(金)にDOMMUNEで開催されます。
もちろん、ライブ配信もありますし、アーカイブでも見られるみたいですよ。
38万円。何の値段でしょう?
Image: CASIO正解は、カシオ計算機による初の電卓「001」でした〜。びっくりしますよね。そして、なんとその重さは16.5kg。確かにかなりゴツい。
この「001」を原点とし、カシオ計算機は、見やすく、使いやすく、長く使える電卓を作り続けて60年。1972年リリース「カシオミニ」の大幅な小型化と大胆な価格設定で大衆化に成功。「世界初のパーソナル電卓」は大ヒットを記録し、その後、さまざまなモデルがリリースされました。
1983年にはカード式電卓「SL-800」が発売。
Image: CASIO厚さはわずか0.8ミリ、重さ12グラム。クレジットカード型の超薄型電卓は、日常に溶け込む携帯性を実現し、持ち運びの常識を変えました。赤・青・黄色を用いたデザインはカシオらしさもあります。
Image: CASIOこのデザインマナーは、2015年にリリースされ、現在もアップグレードを続けているジャパンメイドのフラッグシップモデル「S-100」シリーズにも継承されています。
このとおり電卓は、数字と数式をキーで入力し、その答えが画面に表示される「コンピューター」として、1970〜80年代にはすでに機能的には完成していました。
では、2025年までの60年間にどのように進化をし、そこにはどのようなチャレンジがあり、これまでにどんなモデルが産まれてきたのか。カシオ計算機が60年間作り続けてきた電卓について再考するのが、今回のDOMMUNEのスペシャルプログラムってわけです。
驚愕すべきは、その1965年発売のカシオ電卓初号機「001」(カシオ計算機が所有する2台のうちの1台)を含む、アーカイブとして保存されていた200台以上の電卓実機が敷き詰められたステージ。以下はその一部。
Image:DOMMUNE Image:DOMMUNE Image:DOMMUNEこの数字ボタンと液晶画面の組み合わせがなんともデジタルで萌えます。もしかしたら1970〜1980年代にかけて発売されたライター電卓や野球ゲーム電卓、ペンダント電卓などの「珍電卓」も見られるかも?
また、1965年から2025年にかけて作られてきた広告ビジュアルや販売店向け資料、貴重な海外向け資料など、500ページ以上のビジュアルアーカイヴも全世界にストリーミング。ちょっと、面白そうじゃありませんか?
電卓戦争、小型軽量モデルへの進化、多機能電卓……についてなど、実際の商品を紹介しながらその歴史と変遷を解説するのは斉藤広和(カシオ計算機株式会社)。お相手は宇川直宏(DOMMUNE主宰/現“在”美術家)、ダースレイダー(ラッパー/批評家)、伊勢春日(VOILLDギャラリーディレクター・キュレーター)と、DOMMUNEでもお馴染みのメンバーたち。
また、ドイツのエレクトログループ・Kraftwerk(クラフトワーク)の有名曲『電卓』のなかで特徴的な音が使用され、レコードのジャケットにも描かれている電卓「FX-502P」のライブデモ(実演)も実施予定。『電卓』で使用された音を実際に「FX-502P」から聴けるなんて、こんな贅沢な機会はそうありません。
カシオ電卓60年間の膨大な情報量と、SUPER DOMMUNEスタジオのサウンドシステムから出力されるエレクトロミュージックを同時に浴びられるという、テック好き歓喜のめちゃくちゃニッチでギークなイベントは2025年3月21日(金)の20:00から。詳細は公式Webサイトにて。現地参加枠も募集中です。
家庭用ゲーム機、マイクロコンピューター、パーソナルコンピューター、モバイル端末、スマートフォンと1970年以降続くエレクトロニクスの進化の起源である電卓をみんなで崇め、愛でましょう。
Source: CASIO,DOMMUNE
書籍(Kindle版もあります)