Alexa+ ができることのすべて

  • 2025年3月3日
  • Gizmodo Japan

Alexa+ ができることのすべて
Photo: Kyle Barr / Gizmodo

Alexa(アレクサ)がAIの能力を手に入れてAlexa+ に進化しました。

OpenAI(オープンエーアイ)、Google(グーグル)、xAI(エックスエーアイ)とテック企業が次々とAIの新機能を発表する中、あのオンライン通販の巨人ことAmazonがついにAI業界に参戦です。もちろん相棒のAlexaとともに。

AmazonのAIその名も「Alexa+」は、大規模言語モデル(LLM)をユーザー向けのすべての製品に組み込まれることでこれまでのAIアシスタントとは一線を画すと主張しています。Amazonは先日複数の新製品を発表しました。その中で新しいチャットボットは、自宅のスマートホームデバイスと連携して、ルーティンの設定や、屋外カメラ映像の確認を簡単に行うことができるようになると語っています。Alexa+ には画像認識機能が備わっていて、カメラ映像の理解や、メール、レシピの内容を把握したりできるということです。また、Prime Videoと連携して、Fire TVに映像をキャストすることもでき、Prime Videoで気に入った作品をスクリーンに映し出すこともできるようになります。

Alexa+は3月に一部のユーザー向けに提供され、段階的に全ユーザーに展開される予定となっています。すでにAmazon Primeに加入しているユーザーはアクセス可能ということで、そうでない場合は月額20ドルの追加課金が必要になります(訳注:日本で利用できるかは現在のところわかっていません)。

AIはまず、Echo Showシリーズに搭載され、Amazon Fire TVでも利用できるようになる見込みです。AmazonのOSを搭載したサードパーティ製デバイスのサポートは後日追加される予定になっています。発表された多くの新機能を詳しくご紹介します。

Alexa+ にはウェブ版とアプリ版がある

今後数週間以内に、AIアシスタントを搭載した新しいAlexa.comが公開される予定になっています。これは、改良されたAlexaアプリと連携することで、現在のアプリに取って代わる見込みです。Amazonは、このウェブサイトやアプリのUIがどのようなものになるかを詳しく公開していませんが、Amazon Echoでの操作と同じような料理の注文機能がデモで紹介されました。アプリ版とウェブ版は、Alexa+ の段階的な展開に合わせて公開される予定になっています。

Alexa+ は共有したドキュメントをすべて記憶できる(選択すれば)

Photo: Kyle Barr / Gizmodo

Alexaユーザーは、ドキュメント、メール、スクリーンショット、手書きのメモなどをAIにアップロードして、日付や人名、重要な詳細を記憶させることができるようになります。これは、GoogleのGeminiに似た機能ですが、特定のイベントをAIに覚えさせ、後で呼び出すことが可能になります。

AIに情報を提供する最も簡単な方法は、Alexaアプリを通じてドキュメントを共有することです。Amazonによれば、Amazonアカウントに関連するメールを共有できるほか、アプリを通じて別のアカウントを接続することも可能なようです。

Alexa+ は膨大な数のアプリと連携する

Amazonは、Alexa+ がAmazon製品だけでなく、数万のアプリやサービスと連携すると約束しています。

AP通信やロイターといったニュースメディアも含まれていて、実際にAPKレベルで接続されるアプリの数はそれほど多くありません。それでも、Uber、OpenTable、Thumbtack、Vizio、Tidal、Xboxなど多くのアプリと連携すると想定されています。具体的にどのような連携が可能かは現時点の情報では不明です。

デモでは、Uberを使った車の予約や、Thumbtackを通じたカレンダーの予定設定を同じUI上で簡単に行なえることが紹介されました。

Amazonは食品のオンライン注文を再構築しようとしている

Photo: Kyle Barr / Gizmodo

自宅でピザを作りたい時に、Alexa+ は必要な材料を探す手間を省いてくれます。Alexa+ に材料を尋ねると、まず専用メニューが表示され、希望を伝えていくと、Alexa+ が適切な材料リストを作成します。

Amazonによれば、デフォルトではAmazonアカウントで通常注文しているものが優先され、数やブランドは音声入力や手動で変更できるということです。例えば「安くないオリーブオイルが欲しい」といったリクエストにも対応し、自家製ピザ生地を作りたい場合にも適切な材料を選択できるようになっています。

オーディオを特定のスピーカーへ簡単に送信できる

デモでは、Amazonのデバイス&サービス担当副社長であるパノス・パネイ(Panos Panay)氏が、Alexa+ に特定のスピーカーから音楽を再生させる方法を紹介しました。これは、2つのEchoスピーカーを使用したものでしたが、他のスマートホームスピーカーでも機能すると考えられます。

スマートホームのルーティンとタイマーを音声で設定可能

すでにスマートディスプレイやスマートライト、その他のスマートデバイスを導入している場合、Alexa+ はルーティンの設定をより簡単にすることを約束しています。デモでは、特定の時間にライトを暗くするタイマーの設定や、ムード照明の調整が紹介されました。Alexa+ は家の中の異なる照明器具の正確な名前を知らなくても、ユーザーの意図を理解できるようです。これによって、デバイスの設定をした人以外でも簡単にルーティンを変更できるようになります。

カメラの映像を認識して過去の記録を検索できる

Amazonの「Nova」AIモデルには、画像・映像認識機能が含まれています。特にAmazonのRingデバイスとの相性が良く、リアルタイムでの状況把握や、過去の録画映像の検索が可能です。例えば、荷物が届いたかどうか、家族の誰が犬の散歩をしたかどうかを確認できます。Echo Showの内蔵カメラや、その他の連携カメラでも同様の機能が使えますが、サードパーティ製のカメラでは過去映像の検索ができない可能性がありそうです。

曖昧な記憶から映画のタイトルを特定できる

仕事終わりに頭が回らなくなっても、Alexa+ は助けになるかもしれません。例えば、「キラキラした吸血鬼が出る映画」と尋ねると、『トワイライト』シリーズを表示してくれたりします。Shazamのように音楽を識別する機能はまだありませんが、将来的に追加される可能性はありそうです。

子供向けのAlexa+ も登場

Amazon Kids+ の加入者は、「Stories by Alexa」や「Explore with Alexa」といった新機能を利用できるようになります。これは、Amazonの既存のストーリーテリングインターフェースにチャットボット機能を追加するもので、例えば、Echoデバイスを使って「トカゲの魔法使いが登場するAIが生成したおとぎ話」とそれに付随する「微妙な出来栄えのAIが生成したアート」を楽しむことも可能になるようです。

AIは子供たちの好奇心を満たすために質問に答える機能も備えているとされていますが、これまでのAIチャットボットの精度を考えると、その正確性や信頼性にはやや疑問が残ります。

ここまでがAlexa+ について現時点ででわかっていることです。

各社がこの数年間で「真のAIアシスタント」を目指し、歩みを進めてきたところでAmazonはそれを実現できるのでしょうか。オンライン通販を押さえているAmazonがその力を発揮するのか。一気に攻勢をかけてきたAmazonのAI、Alexa+ が普及するのか。

それはユーザーがAmazon経済圏に飛び込む覚悟があるかにかかっているのかもしれません。

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