Lifehacker 2025年2月17日掲載の記事より転載
ランニングは、屋外に出てカロリーを燃焼できるうえに、有酸素運動で体を鍛えられるというすばらしいエクササイズです。
とはいえ、できれば「走る」ことなく、そのメリットだけを享受したいと思っていませんか?
それならば、ランニングの代わりに「ラッキング」を試してみましょう。つまり、ウエイトが入ったリュックサックを背負ってウォーキングするのです。
ウエイトが入ったリュックサックを背負って、ウォーキングやハイキングをすることを「ラッキング」と言います。
軍隊では、装備をリュックサックに入れて背負い、長距離を歩く行軍訓練が行われます。それと同じことをスポーツとしてやるのがラッキングです。
リュックサック(Rucksack、英語ではラックサック)を背負って歩くので、ラッキング(Rucking)というわけです。
エクササイズの一環としてラッキングする人は、ハイキング用品や軍隊の装備を運ぶわけではありません。
近所を短い距離でラッキングする場合ならなおさらです。
代わりに、リュックサックにウエイトを入れたり、重りが付いたベストを着るのがいいでしょう。
ラッキングは、ランニングやほかの有酸素運動と同様に、安定したペースで行う有酸素運動の1種です。
心拍数が長時間にわたって上昇するので、心肺機能を鍛えるのに向いています。
カロリー消費量も多いので、体重の維持管理にも効果的です。
「ウエイトなしで歩いたっていいんでは?」と思う人もいるかもしれません。
けれども、基礎的な体力がついた人にとっては、ウォーキングは、運動としてあまりにも軽く、負荷が足りないのです。
すでにウォーキングを日課としており、もう少し負荷が高い運動にチャレンジする準備ができている場合、次のステップとしては、歩くスピードを上げたり、坂道を上ったり、ウエイトを持ってウォーキングしたりするのが最適です。
そして、ウエイトを背負って歩くラッキングをしながら、スピードを上げたり、坂道を歩いたりすることもできます。
もちろん。
けれども、本格的にラッキングをしている人たちはしばしば、専用リュックサックを購入したり、重り付きベストを使ったりしています。
使えそうなリュックサックがあれば、最初の何回かはそれを背負って挑戦し、本当にラッキングを楽しめるかどうか、確認するといいでしょう。
リュックサックに、ダンベルを何本か固定せずに入れて背負うと、居心地の悪さにすぐさま気づくはずです。手っ取り早くラッキングをはじめたいなら、砂場などに使う砂の袋を1袋購入しましょう。
通常は、50ポンド(約22キログラム)入りで5ドルほどです。
それから、その砂をジップ付きビニール袋に少し入れて、ラッキング用のウエイトとして使ってみてください。
ダンベルなどと違って、固く尖った部分がないので、背中が痛くなりません。体力がついてくれば、砂を足すこともできます。
自宅にあるウエイトを使う場合は、体に直接に当たらないよう、タオルに包んで入れるのも良いでしょう。
ダンベルやケトルベルより、バーベルプレートのほうが使いやすいと思います。
どんなウエイトを使うにせよ、できるだけ肩甲骨あたりに固定して、体にぴったり添うようにします。
ストラップやバンジーコードを使うと、リュックサックが揺れにくくなってラクですよ。
リュックサックの話をする前に、まずは、歩くのに適したシューズを用意しましょう。
ランニングシューズよりも、ハイキングブーツのような頑丈なものがいいかもしれません。モデルやサイズは、自分に合ったものを選びましょう。
リュックサックについては、便利グッズなどを収納できるタイプがいいのか、できるだけ簡単に加重できるものがいいか、検討しましょう。
軽めか中程度のウエイトを背負って、短距離をラッキングする場合が多いなら、重り付きベストを検討してみましょう。
重り付きベストは、負荷をかけて腕立て伏せなどをしたいときにもぴったりです。
体力アップを重視した重り付きベストには、小さなウエイトを入れるためのポケットがついています。
製品によりますが、20ポンド(約9キログラム)から80ポンド(約36キログラム)で選ぶことができます。
必要に応じてウエイトをつけたり外したりできるので、実際に使うつもりなら、いちばん重いベストを買いましょう。
重り付きベストには、薄くて細長い板状ウエイトを入れられるタイプのベストもあります。
ちょっとお高いものであれば、もっとヘビーウエイト用にカスタマイズできる製品も存在します。
装備を運びながら長距離をラッキングする予定なら、本物のミリタリーパックを選びましょう。
ALICEという旧式のミリタリーパックは、放出品として安値で販売されていることがあります。
ただし、使い心地はあまりよくないという噂があるので、その現代版・Molle Bag Rucksackもオススメです。
とはいえ、ミリタリー風の見た目にこだわる必要はありません。
頻繁にバックパック旅行やキャンプに出かけるつもりなら、お近くのアウトドア用品店に行って、ハイキング用のリュックサックを試してみましょう。
本物のリュックサックなら、軽食や水に加えて、救急用品やサバイバル・キットも収納できます。
高機能のリュックサックであれば、給水袋も装着可能です。
数リットルの水が入った給水袋から、チューブ状のストローで水を飲めるようになっているので、水分補給をするときに、わざわざ立ち止まってリュックサックを開ける必要がありません。
初心者なら、10ポンド(約4.5キログラム)で十分かもしれません。
その重さを背負って、しっかりしたペースを維持して歩けるかどうか、挑戦してみましょう。
問題なければ、重さを足してみてください。ラッキングでは、体格や体力に応じて、10ポンドから50ポンドのウエイトを使う人がほとんどです。
軍隊には、自分の体重の3分の1を超えるウエイトを定期的に運ぶべきではないという、ルールがあります。
絶対に守らなければならないわけではなく、個人的に体力アップしたい人なら、軍隊のルールに従う必要はもちろんありません。
ただ、ウエイトの基準として知っておくのもいいかもしれません。
エクササイズではどんな場合もそうですが、簡単なレベルから初めて、自分に求めている負荷に体が耐えられるかどうかを確認しながら、少しずつレベルを上げていきましょう。
2週間おきにウエイトの重さが適切かどうかを検討し、重すぎたり軽すぎたりする場合は調整してください。
体力がつけばウエイトを重くしてもいいですし、逆に、重いウエイトを背負っているとペースの維持が難しい、という場合はウエイトを減らしましょう。
軍隊では、1マイル(約1.6キロメートル)15分が良いペースとされています。
ほとんどの人は1マイル20分というペースですから、15分で1マイルはかなり速いと言えます。
おまけに、ウエイトを背負っていることを忘れないでくださいね!
1マイル15分というのは、目標にしましょう。
今はまだ、このペースで歩く準備ができていない、という人は、時間をかけて達成を目指しましょう。
ラッキングの取り組み方は、ほかのすべての有酸素運動と同じです。現時点で無理なくこなせるレベルからはじめます。
問題がなく、時間も大丈夫であるなら、レベルを上げていきましょう。
現在、有酸素運動をまったくやっていない人は、週2回か3回、20分から30分ほどラッキングに取り組むところからはじめましょう。
それも無理だという人は、この頻度と時間を目標にします。
すでにランニングやサイクリング、ジムにある有酸素運動マシンでエクササイズしている人は、週に1回か2回、いつものエクササイズの代わりにラッキングをしましょう。
ラッキングを定期的にやるようになったら、あとは、好きな頻度と距離で取り組みましょう。
ラッキングは激しい有酸素運動とみなされており、世界保健機関(WHO)のガイドラインによると、週75分以上が基準です。
運動好きなら週150分。やる気があるならそれ以上でもいいでしょう。
たとえば、1回30分以上を、週に3回から5回。うち1回は、長めに1時間以上ラッキングするのはどうでしょうか。
1時間以上のときは、週末に友人とハイキングがてらラッキングするといいかもしれません。
友人には、おやつは自分が持参すると言っておきましょう。
あなたのリュックサックには、たくさん余裕があるのですから。
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翻訳:ライフハッカー・ジャパン編集部
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