NASAの新たな月探査ミッションで、ホップ(跳躍)しながら移動するロボットが使われるんですって。名前は「グレース(Grace)」。月の南極付近にある、太陽の光が一切届かないクレーターの中を探査する頼もしいロボットです。
グレースは、アメリカの宇宙開発企業 Intuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ) が開発したホッパーロボット。「ホップ(Hop)」という言葉が表す通り、「跳ぶ」ことができます。
ちなみに命名の理由はホップするからだけではありません。20世紀のコンピューター科学者であるグレース・ホッパー氏( Wikipedia )にちなんでいます。コンピューターを誰でも使えるようにした彼女にならって、グレースも月の未知の領域を解放してくれるのかも。
ちなみに、「hop」と「jump」には微妙な違いがあって、ホップは片足で跳ぶこと、ジャンプは両足で跳ぶことを意味しているそう。グレースはホッパーだけど、片足で跳ぶのか……?
グレースは「クレーターH」と呼ばれる深さ約20メートルのクレーターを目指します。このクレーターはアテナという着陸機から約500メートルの距離になるのですが、なんと5回のホップで到達する予定なんですって。
ピョンピョンと細かく跳ねていくのかと思ったら、なんと5回。それぞれ異なる高度で跳ぶらしいのですが、3回目のホップでは最大100メートルにまで達するのだとか。
グレースは、クレーターの中で水や他の資源を探査して、搭載カメラで撮影することになっています。そのデータはNokiaの月面通信システムでアテナに飛ばします。
探査の時間は45分を予定されていて、終わったらホップして戻ってくるので普通にデータを持って帰ることもできるはず。あえて通信で飛ばすのは、月面初の4G /LETネットワーク構築を目指しているから。「月面4G」とかめっちゃ格好いい響きじゃないですか!