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鈴木亮平があふれる『世界遺産』愛を語る「番組のファンなので今のカメラワーク、こっちの方がいいかもみたいな(笑)」

  • 2024年4月6日
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4月7日(日)放送回から約6年半ぶりにリニューアルする『世界遺産』(TBS系 毎週日曜 午後6時〜6時30分)。9代目のナレーションを担当する鈴木亮平さんに世界遺産の魅力などを聞きました。

『世界遺産』鈴木亮平©TBS

 

世界遺産や歴史好きで、世界遺産検定1級を取得、さらには世界遺産を旅した気分になれるエッセー集を上梓するほど世界遺産に詳しいことでも知られる鈴木さん。従来のナレーターではなく、番組初となる世界遺産の案内役=ナビゲーターとして、時に自らの思いも交えつつ世界遺産の魅力を視聴者に届けていく。

 

4月7日、14日(日)の放送では、1993年に日本で初めて世界遺産に登録された屋久島を紹介。鈴木さん自らがロケへと出向き、屋久島の奥深くに分け入り、ダイナミックな自然を体感する。

 

◆9代目のナレーション、初代ナビゲーターに就任されての心境を教えてください。

本当に見ていて好きですし、自分が世界遺産を好きになるきっかけにもなった番組ですので、携われて非常に光栄です。今までにナレーションという仕事を何度かやらせていただいているのですが、その度に『世界遺産』のナレーションをするとしたら、どんなトーンでやるかを空想していたりしたので、お話を頂けてうれしいです。ただ同時に、歴代の方々が積み上げてきたものが好きだったので、あまり本当は変えたくないなという思いはあるのですが、せっかく自分がやる以上、どのぐらい自分らしさを出していこうかなと模索していて、今回ナビゲーターという肩書も頂いたので、世界遺産が好きという自分だからこそ伝えられるものも含めていけたらいいなと思っています。

 

◆オリジナリティーを出すために意識しているところはありますか?

本来のナレーションというのは淡々と説明をすることだと思うのですが、自分の場合は「ここからがすごいんです」「実はこうなんですよ」と。「屋久杉があるから世界遺産だと思っていますよね。でも実はこっちの照葉樹林の森もすごいんです」みたいなところはプレゼンをしている感覚と言いますか、どうしても熱が入ってしまうんです。ただ「おまえが一番盛り上がっているのか」となっても意味がないので、うまく抑えつつ、ある程度の自分の情熱を乗せていけたらいいなと思いながらやっています。

 

◆鈴木さんのプレゼンが番組の中に静かに盛り込まれているということですね。

忍び込ませているつもりです。熱くなろうと思えばどこまででも熱くなって、きっと予告編でも熱いテンションでやってしまうと思うので(笑)。あと一番気をつけているのは笑顔。声ですが、世界遺産の楽しさを伝えたいので、もちろんシビアな話題になることもありますが、基本的には笑顔で声をお届けしたいと思っています。

 

◆屋久島ロケの感想を教えてください。

屋久島は思っていた以上にすごいです。実際に行ってみて、知識の10倍ぐらい新たに分かったことがありました。詳しくは番組を見てほしいですが、単純に「こんなにすごい島だったんだ」というのが、森に一歩踏み入れただけで雰囲気が違うということ。それはスピリチュアルなことではなく、見た目から全く違うんです。コケから木が生えていて、その木にコケが生えて、そのコケからまた別の植物が生えて、それが全部絡み合って巨大になったみたいな。生命力がすごい島でした。今回、海岸線の海抜ゼロ地点から1800メートルぐらいのところまで上って、どんどん植物が変わっていくところを見ていったのですが、そこも面白いですし、標高が高くなると、南の島なのにとても寒くて。山頂の雲の切れ目から海が見えたのですが、その海は亜熱帯の森で不思議でとにかくすごかったです。

 

◆放送でもその景色が見られるということですね。

映っていると思います。僕も番組のファンなので、今のカメラワークこっちの方がいいかもと思うところもあるわけですよ(笑)。カメラのアングルが「同じフレームに山頂のこの植物の霜と海を入れた方がいいと思います」と言ったら、その通りにプロが撮ってくださって、楽しかったです。

 

◆映像そのものの美しさもこの番組の見どころの一つだと思うのですが、鈴木さんは今回の屋久島の映像を見てどのように感じられていますか? また視聴者の方にどのように映像を楽しんでもらいたいでしょうか?

本当に今、映像の技術も進歩していますし、今回行って分かったのですが、ドローンも小さくなっていて、屋久島の森の木々の間を僕が歩いているところをドローンが並走したりできるんです。そういう技術もたくさん進化しているんですけど、何より撮影チームのすごさ。屋久島って山が高いんです。僕はヒーヒー言いながら登っていたのですが、そのチームは僕より年上なのに、スタスタ行くんですよ。それで「すごいですね」と言ったら、「先月、キリマンジャロを登っていましたから」と(笑)。こういう人たちがいてくれるからあの映像が見られるんだなと、映像を楽しむことはもちろんですが、その裏にいる映像を撮っている人たちの大変さプラス、スタッフさんたちは、この仕事が好きなんだろうなというロマンを僕も見ていて感じていたので、そういうところも見ていただけるとうれしいなと思います。最後の提供枠みたいなところで、撮影クルーが一瞬映ったりするんですけど、ああいうのが楽しいです。

 

◆この番組が世界遺産を好きになったきっかけということですが、特に興味を引かれたという世界遺産はなんでしょうか?

スリランカにある「シーギリヤ」という世界遺産です。以前違う番組で行かせてもらったことがあるのですが、それは熱帯雨林の中に巨大な岩山というか、拳みたいな形の1枚岩で、その上に昔の宮殿の跡が残っているんです。そのシーギリヤをそれこそ『世界遺産』で見たときに、単純に「うわ、すごい」と思いましたし、マチュピチュみたいとも思ったんです。マチュピチュは世界遺産だと知っていましたが、マチュピチュレベルの他の世界遺産って知らないものがいっぱいあるんだと当時気づいたんです。実際にマチュピチュより古い時期に放棄されていて、そこから発見されるまで野ざらしになっていた世界遺産もあって。それにシーギリヤは、岩肌に天女が描かれていて、その天女の絵がスリランカ美術の最高傑作とも言われているのですが、すごく生き生きとした絵で、当時の文化の高さもうかがえますし、それを知らないで生きるのはもったいないなと思ったんです。そこからシーギリヤはすごく自分の中に残っています。

 

◆それはおいくつぐらいのときですか?

20代前半、23〜25歳ぐらいですかね。旅番組に呼んでいただいたときに、ディレクターの方に「今日行くところは世界遺産なんだよ」と言われて、調べました。それはアフリカのモーリタニアにあるシンゲッティという街でした。

 

◆そんな番組ファンの鈴木さんがこうして4月から番組に携わるということで、この未来予想図はご自身の中でありましたか?

僕は正直、好きだからこそ関わってはいけないんじゃないかと思っていました。ファンとして見ていたかったところが半分あって、一緒に仕事をするのは恐れ多いというか、何か自分が汚してしまったら嫌で。聖域みたいなところがあったんです。そうは言いながらも、自分がナレーションをやるならどんな感じで言えるかなと考えたりもしたので、裏腹な気持ちがあり…。恋は裏腹です(笑)。そういう相手でした。ですので、今でもプレッシャーは感じています。

 

◆世界遺産検定1級を取得されていますが、どのように勉強されたのでしょうか?

28、9歳ぐらいのときに取得しました。忙しい時期だったのですが、合間に徹夜して勉強していたことを覚えています。受験勉強と一緒で、自分なりにまとめたノートを作って、マーカーペンを引いたところを隠す赤い下敷きを多用していました。テキストにマーカーを引いていって隠して、全部言えたら次のページとやっていました。あと、世界遺産は横のつながりがあるんです。例えば屋久島だったら、他にどんな島が世界遺産になっているかつなげていって「島シリーズ」、高いところにあるシーギリヤみたいな世界遺産だったら「天空シリーズ」と自分で名付けてまとめたりしていました。

 

◆これまで何か所ぐらい世界遺産を巡ってきましたか?

世界遺産を巡っている人からしたら少ないかもしれませんが、30ちょっとぐらいかな。リストを作っていたのですが、最近そのリストをなくしてしまって、分からなくなってしまったんです。 TBSのラジオ局に世界遺産マニアの人がいるのですが、124か所行っているらしいです。

 

◆今後、この番組で深掘りしたい世界遺産はありますか?

たくさんあります。“シュトルーヴェの測地弧”というのがヨーロッパに国をまたいで何か所もあるんです。それはどんな所だろうと思って行ったら、「ここです」みたいな記念碑しかないような世界遺産。きっと世界遺産って、すごい景色や建物というイメージがありますけど、実はそうではなくて、人類の宝、残していくべきものなので。“シュトルーヴェの測地弧”は初めて地球の長さを測った跡で、人類の大きな一歩だけれども、それって世界遺産としては画にならないんです。でも僕はそういうところの魅力も届けたいと思っているので、なんとか『世界遺産』という番組で面白く伝えられたらなと思っています。

 

◆今後行ってみたい世界遺産はどこでしょうか?

いっぱいあります。トルコのギョベクリ・テペ遺跡は今考古学の注目の的になっているんです。人類がいつ定住を始めたという歴史が、メソポタミアで文明が起こった紀元前3500年頃だと言われていると思うのですが、それを数千年さかのぼる時代の祭事を行っていた神殿みたいな場所が発掘されたんです。この発見により人類の歴史みたいなものが今、大きく変わり始めていて、ぜひ行ってみたいです。

 

◆それは大発見ですね。

本当にトルコは面白い遺跡が多いんです。ちょっとシリア寄りなので、なかなか行けないですが、ネムルト山とか、イスタンブールだけでも行きたいですし、もちろんカッパドキアも。トルコには行ったことないので、行ってみたいです。ぜひ番組で行かせてください!

 

◆鈴木さんがお好きで見ていた頃と今で、『世界遺産』という番組の映像としての魅力はどこでしょうか?

僕が見ていたときからかなり変わりましたね。一番はドローンの進化だと思います。空から撮ったり、バーンと引きの映像が人間の視点からではないものが見えるというのが大きいなと思っていて。ただ、それに関しては5年前に「ドローンはここぞというところに使ってほしい」と堤(慶太プロデューサー)さんにアドバイスをしていて(笑)。そこから5年がたって、今見ている方の多くがドローンの画に慣れているし、ドローンの画がないと物足りなくなっている。僕もそうですし、ついつい求めてしまうので。時代によって変わるので、今はドローンの画でどういうふうに見せるかというところがキーだなと思っています。でもやっぱり考えられていて、ドローンの画ばかりでは旅の目線にならないので、そこは本当に毎回うまく編集しているんだなと思います。今度、ナスカの地上絵の回があるのですが、これはドローンがある時代とない時代では大違いです。昔やっていたナスカの回を見ていると、地上で石を見てもふーんという感じだったんです。でも今は「こんな角度か!」とはっきり分かるように撮られていて、ドローンがさく裂しています。なので、ナスカの地上絵の回もぜひ楽しみにしてもらいたいです。

 

堤P:この間、ナレーションを録らせていただきましたが、ナスカの地上絵の回も4月21日(日)に放送します。今回、珍しくドローンの撮影が許可されたんです。

 

本当にめったにないらしいですね。

 

堤P:かなりいい画が撮れています。

 

聞くところによると、やっぱり長年『世界遺産』をやられていたり、『世界ふしぎ発見!』などで、TBSさんと関係があって開く門も多いと聞きました。

 

◆最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。

世界遺産が好きだからこそ、主役はあくまで世界遺産なので、自分が好きということは置いておいて、世界遺産の魅力をまずは皆さんに伝えたいと思っています。それをどう伝えるかというのを試行錯誤しているんですが、『世界遺産』という番組のファンは日本中にたくさんいると思うので、皆さんからフィードバックをいただいて、自分のナレーションもちょっとずつ変えていきたいなと思います。番組スタッフにとっても今後のいい意見になると思うので、ぜひ何かの方法で発信していただけたらうれしいなと思います。

 

世界遺産だけではないですが、旅をしたりとか、旅をしなくても自分が行ったことない場所を映像で見たり知ること自体がすごく豊かな体験だと思いますので、1週間に1回ぐらい、30分少しソファーに横になりながら「別世界…!」となって寝落ちするみたいな時間を取っていただきたいなと思います。

 

PROFILE

鈴木亮平

●すずき・りょうへい…1983年3月29日生まれ。兵庫県出身。A型。

 

番組情報

『世界遺産』

TBS系

毎週日曜 午後6時〜6時30分

 

番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/heritage/

公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCiBzP94GzT4C_aZ6-lw8zSA/featured?view_as=subscriber

 

©TBS

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