AirPods Maxでできることをほぼ網羅! JBL最新ヘッドホン「Tour One M3」レビュー

  • 2025年5月22日
  • GetNavi web

オーディオブランドのJBLから新しいワイヤレスヘッドホン「JBL Tour One M3」が発売されます。アップルが販売する8万4800円(税込)のAirPods Maxでできることをほぼすべてカバーしながら、価格は4万9500円(税込)とよりお手頃です。一体どんな製品なのか、期待のフラッグシップモデルをレポートします。

↑ノイズキャンセリング機能を搭載する最上位ワイヤレスヘッドホン「JBL Tour One M3」。カラバリは写真のブラックと、ゴールド系の「モカ」があります。

 

360度サウンドやロスレス再生対応など、最上位らしく音にこだわった

JBLのワイヤレスヘッドホンには複数のシリーズがあります。そのなかでTour Oneは音質と機能、装着感を含むデザインなどあらゆる要素にこだわった最上位のシリーズです。2021年に初代のモデルがデビューし、2023年発売の第2世代モデルM2を経て、この第3世代のM3が登場します。本機にはBluetoothオーディオトランスミッターを同梱するモデルもありますが、ヘッドホン本体の特徴から触れていきましょう。

 

まずは「サウンド」です。オーディオ機器の音質は人それぞれに好みが分かれるところですが、Tour One M3はフラッグシップモデルらしく「器の大きさ」が違います。

 

アップルのAirPods Maxは360度がサウンドに包まれるような空間オーディオ再生に対応していますが、Tour One M3にも同様の効果を楽しめる「空間サウンド」という機能があります。利用するにはヘッドホンをスマホに接続して、モバイルアプリの「JBL Headphones」から空間サウンドをオンにするだけです。

 

自然な立体感はAirPods Maxに負けていません。さらに空間サウンドの没入感を高めるヘッドトラッキング機能もあり、音響効果は「ムービー」「ミュージック」「ゲーム」の3種類から選べます。モバイルゲームのサウンドトラックやYouTubeの音声なども空間サウンドに変換されるので、斬新なリスニング感が得られます。

↑あらゆる音源で立体的なリスニングを楽しめる「空間サウンド」を搭載。音響効果は「ムービー」「ミュージック」「ゲーム」の3種類から選べます。

 

Tour One M3は“音の良さ”に対しても真っ向勝負で挑んだヘッドホンです。ワイヤレス再生はBluetoothのハイレゾ対応コーデックであるLDACが使えるので、Apple MusicやAmazon Musicで配信されているハイレゾロスレス対応のコンテンツを最大96kHz/24bitの高音質で楽しめます。

 

先日USB-Cに対応する第2世代のAirPods Maxが、ソフトウェアアップデートにより機能を追加し、USB-C接続による有線リスニングと最大48kHz/24bitのロスレスオーディオ再生に対応しましたが、Tour One M3もこれに完全対応です。

 

USB-C接続時には本体を充電しながら、音声リスニングとマイク経由の音声入力もできます。長時間に及ぶオンライン会議の際にはTour One M3があれば安心です。もっとも本機はフル充電の状態から最大40時間以上のバッテリー持ちを実現しているので、普通に使っていて不意にバッテリーが切れるピンチが訪れることはあまりないでしょう。

↑USB接続時には最大48kHz/24bitのロスレス再生に対応。AirPods Maxと同等の機能を楽しめます。

 

最初に好みの分かれどころと前置きした「音質」について、筆者がTour One M3を聴いて感じたインプレッションもお伝えしておきます。コンパクトに表現すると「鳴りっぷりがよく、明るく爽やか」です。雑味が少なく見晴らしのいい音場を再現。すべての音が引き締まって感じられます。特にボーカルや楽器の鮮やかな音色と、低音の鋭さは本機の持ち味です。筆者はアップテンポなロックやダンスミュージックを再生したときに、低音がダブつくと不満を感じてしまうので、Tour One M3のフットワークの軽さが気に入りました。

 

先述の通り、本機はハイレゾ対応のヘッドホンなので、ディティールの情報量にも富んでいます。たとえば大編成のオーケストラが演奏するアニメのサウンドトラックも、とても心地よく聴けました。筆者のおすすめは「機動戦士ガンダム 水星の魔女 Original Soundtrack」の、アルバムタイトル曲とも言える「The Witch From Mercury」です。広々と描かれる音場の中で、生音がリアルに響く臨場感を味わえます。

↑iPhoneによる音楽再生もTour One M3が最高のパフォーマンスを引き出してくれます。

 

飛行機のノイズは強力に、カフェの雑音は穏やかに消音するノイキャン

Tour One M3はアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載しています。本体には通話用を含む計10基のマイクを載せていますが、そのうち8基のマイクをノイズキャンセリングのために使用。ユーザーの耳の形、髪型などに影響を受ける装着状態を自動で解析しながら、最適な消音効果に常時調整するアダプティブノイズキャンセリングに対応しています。

 

そこでTour One M3のANC性能をいろんな場所で試してみました。飛行機の機内ではエンジンノイズをすっと消してくれるので、BGMの少ないシリアスなドラマやアニメのセリフが明瞭に聞き取れます。また耳に優しい音量バランスでリスニングできるため、長時間の使用にも向いているヘッドホンだと思います。

↑飛行機の中でTour One M3を試しました。継続的に鳴り響くエンジンノイズがすっと自然に消えます。

 

アプリからアダプティブノイズキャンセリングをオンにしておけば、機内、あるいは地下鉄の車内など大きなノイズに囲まれる場所ではANCのレベルを上げて、静かな場所に移動すると自動的にレベルを下げてくれます。カフェなど周りの状況によってノイズの強弱が変わる場所でも、いつも快適な消音バランスに整います。

 

外音取り込み(アンビエントアウェア)の機能ももちろん搭載しています。本体右側面のボタンをクリックすると、ANCとアンビエントアウェア、そして再生中のコンテンツの音量を下げて外音取り込みに集中するトークスルーが切り替わります。ボタン操作の方が、たとえばタッチセンサーのタップ操作と比べて迷わず瞬時に対応できるので、筆者は本機の仕様が好みに合っていると感じました。

↑ノイキャンと外音取り込みは本体のボタン操作で素早く切り替えられます。

 

消音効果はヘッドホンのフィット感とも連動しています。Tour One M3は人工皮革を使ったイヤーパッドがとても柔らかく、耳の周囲をふわっと包み込みながら、しっかり固定してくれます。ヘッドバンドの側圧(クランピングフォース)はしなやかでありながら、頭部に密着するバランスがとてもいいです。メガネはフレームの形状にもよるとは思いますが、筆者の場合イヤーパッドとぶつかって不快に感じることはありませんでした。とても装着感が心地よいヘッドホンなので、店頭などで試着だけでもしてみる価値があります。

 

空の旅に便利なワイヤレストランスミッター同梱モデルも発売

Tour One M3は本体を小さく折りたたんで、薄型の専用キャリングケースに入れて持ち運べることも、ふだん使いの快適さを高める重要なポイントです。飛行機の中に持ち込むバッグの中にもコンパクトに収まりました。ケースは内側に有線リスニング用と充電用のUSBケーブルを収納するためのポケットもあります。折りたたんで持ち運べるケースを使える「機能性重視」のスタイルは完成度が高く、いま他社のヘッドホンを使っているユーザーもTour One M3との「違い」がわかると思います。

↑スリムでコンパクトな専用ケース。ポケットにケーブル類が収納できます。

 

Tour One M3にはヘッドホン本体のほかにBluetooth対応のスマートトランスミッターを同梱するモデルがあります。このスマートトランスミッターは、Bluetoothオーディオの送信機能を持たないデバイスとTour One M3を接続する際に役立つ専用アクセサリーです。たとえば旧式のオーディオコンポ、テレビ、ゲーム機などの3.5mmアナログオーディオ出力から、同梱するケーブルでスマートトランスミッターにつないで、トランスミッターとヘッドホンとの間でワイヤレスリスニングを実現します。

 

スマートトランスミッターにはタッチ操作に対応するスクリーンがあり、音量や空間サウンドなどのヘッドホン再生操作を目で確認しながら行なえるので便利です。

 

このスマートトランスミッターが活躍する場面のひとつは飛行機の中です。Tour One M3は付属するUSB-C/3.5mmオーディオケーブルを使えば機内エンターテインメントシステムに直結できるヘッドホンですが、狭い機内ではケーブルが煩わしく感じられるときがあります。スマートトランスミッターの方を機内エンターテインメントに接続すれば、ヘッドホンはワイヤレスになるので動きが制限されません。

↑タッチ液晶リモコンを搭載するTour One M3のトランスミッター。

 

ただし、スマートトランスミッター同梱モデルは価格が5万7200円(税込)と、ヘッドホン単体のモデルよりも7700円高くなります。特にスマートトランスミッターを「こんな用途に活用したい」というイメージがあれば、検討購入の選択肢にするとよいでしょう。

 

ポップミュージックカルチャーの影響により、ヘッドホンが再び若い音楽ファンにも好まれているようです。それにともなって、今年の春はTour One M3を含む各ブランドのワイヤレスヘッドホンの新製品が豊作です。人気のAirPods Maxに追いつき・追い越すほどの魅力を満載したワイヤレスヘッドホンがいろいろあります。それぞれを比較して、自分の期待に一番フィットするヘッドホンを見つけてください。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
(C)ONE PUBLISHING