マダガスカル原産で熱帯各地に分布する日々草。
野生のものは日本では西之表島などで見られます。
そんな日々草も実は比較的容易に家で育てられます。
また、その花は非常に美しいです。今回はその花の魅力に迫ります。
日々草の花びらは5枚あり、円状に並んでいます。
単色ではピンク色のものや白いもの、赤、赤紫などがあり、物によっては真ん中だけ違う色の場合もあります。
花の直径は3、4cmほどです。
また、観賞用に改良されたものは直立しているので見映えが良いです。
日々草の開花時期は初夏から晩秋までです。
夏が始まってから秋が終わるまでですね。
その間次々に花が咲くことから日々草とされます。
一つ一つの花は2〜3日で枯れるのですが、同じ株に新しい花を咲かせるので絶え間が無いです。
まとまって咲いていれば眼前にいっぱいの花が咲き乱れてとても綺麗です。
その群生する日々草の美しさ、賑やかさから、花言葉も「楽しい思い出」とされています。
一つどうしても気をつけて頂きたい点があります。
それは日々草にはおしなべて毒が含まれるということです。
ビンカアルカロイドという非常に恐ろしいものです。これは全草に含まれます。
そのビンカアルカロイドのうち、ビンクリスチンとビンブラスチンは細胞分裂を妨害します。
人間の細胞内にあるタンパク質に悪影響を与えて分裂を阻止するのです。
これは、悪い細胞が分裂することで広がっていくがんに対しては、その分裂を止めて進行に歯止めをかけられるので有効なのですが、普通の人が食したりすると嘔吐や下痢といったものではすみません。
痙攣・筋肉麻痺、最悪の場合神経や心機能に障害を与えます。
日々草の歴史は古く江戸時代に毒草として渡ってきたのが起源とされます。
それから抗癌剤として医療に欠かせないものとなり、それ以外の人にとっても観賞用として重宝されるようになりました。
遠い島国マダガスカル原産の花は、極東のこの日本で欠かせない存在になっています。
そういった歴史をふまえて花を眺めると、ただ美しいだけでなく特別な花として愛でることができるのではないでしょうか。
※トップ画像はPhoto by ERImothさん@GreenSnap