
伊勢神宮・内宮の参道に広がる「おかげ横丁」は、伊勢の伝統的な街並みを再現した伊勢の魅力満載のグルメ&散策スポット。今回はその中で唯一の洋風建築である「森翁館」の2階にある洋食レストランを訪ねました。窓からは「おかげ横丁」の街並みを見渡すことも。レトロモダンなインテリアに囲まれながら、時を忘れて過ごすことができますよ。
「おかげ横丁」に洋館があるのをご存じでしょうか。「森翁館」は、伊勢の伝統建築を再現した街並みが広がる「おかげ横丁」で唯一の洋館。鹿鳴館やニコライ堂なども手がけたイギリス人建築家ジョサイア・コンドル氏が手掛け大正2年に完成した建物「旧諸戸清六邸(六華苑)」を模築し、今から30年以上前に建てられました。現在も三重・桑名にある「旧諸戸清六邸」は、洋館と和館が繋がった独特のデザインや白と水色のカラーリングなど、その美しさや歴史的価値から国の重要文化財にも指定されています。
店内は組木の窓が大きくとられた明るい空間。寄木調の板張床やシャンデリア、出窓、飾り天井など、木造建築の美しさと西洋建築の特徴を生かした空間が広がっています。また、店内奥は和館とつながっていて、これも旧諸戸清六邸をイメージさせます。
「はいからさん」で楽しめるのは、明治・大正に文明開化と共に日本で広がっていった西洋料理で、日本で独自に発展を遂げた洋食の数々。なかでもお店の創業当時から作り続けられているのが、カレーライスとオムライスです。カレーはごろごろと大き目の牛肉がたっぷり入っていて、スパイスが程よく香る優しいルー。筋などのない、ほろほろと柔らかく仕上げた牛肉に丁寧な仕事を感じます。
「はいからさん」では洋食以外にも、ドリンクやケーキも充実しているので、おかげ横丁の散策途中にゆっくり過ごしたいときにおすすめです。地元のケーキ店などから取り寄せたケーキが並んでいて、「鳥羽国際ホテル」のチーズケーキや「赤福」がプロデュースする和洋菓子店「五十鈴茶屋」のシュークリームなども。ドリンクも三重産の和紅茶やソーダなど、三重の美味しい品を一度に楽しむことができてしまいます。
「はいからさん」は入口が通りに面していないこともあり、にぎやかなおかげ横丁の中では、隠れたランチ&カフェスポットとなっています。特に平日は行列なども少なく、ゆったりと食事ができるので、何度も伊勢参りをしている人が、ゆったり過ごしたいときに訪れるのだそう。窓から広がる、おかげ横丁の街並みを眺めながら、昔ながらの洋食とレトロな建物をじっくりと味わってみてくださいね。