
美濃焼の産地、岐阜県土岐市にある「KOYO BASE」は、陶磁器メーカーが運営する複合体験施設。カフェダイニングやショップ、ワークショップを体験できるスタジオなどを備え、さまざまな角度からうつわの魅力にふれることができます。事前に予約をしておけば、製造工場内の見学も可能。食や体験、見学などを満喫して、うつわの魅力を体感してみませんか。
岐阜県の東濃地方は美濃焼の産地としての歴史があり、古くから陶磁器製造が盛んな地域。現在でも多くの陶磁器メーカーや作業場、窯元などがあり、日本の陶磁器生産量の50%以上を担っています。
そんな東濃エリアに位置する町、土岐市までは名古屋から車で約45分、JRでは約50分。駅から歩いて20分ほどの静かな住宅街の中に陶磁器メーカー光洋陶器株式会社の工場があり、その一角に建つのが「KOYO BASE」です。
光洋陶器は、海外への輸出を中心としたメーカーとして1964年に創業。製造技術や生産体制、デザインにも磨きをかけながら、プロユースの多彩で高品質なうつわを作り続けてきました。光洋陶器が「KOYO BASE」をオープンしたのは2023年。自社のうつわを使った食事や体験、工場見学など、さまざまな角度からうつわの魅力を体感して欲しいという思いが込められています。
店舗となっている2階へ階段を上がると、天井が高く広々とした空間が広がり、さまざまな食器が並んでいます。こちらは自社製品を中心に多彩なラインナップがそろう「BASE Shop」。バリスタの世界大会でも使用されるORIGAMIドリッパーをはじめ、ロングセラー商品や季節感のある商品、ギフトなどが幅広くそろい、1万5000種類もの食器を手がけている同社のバリエーションの豊富さに圧倒されます。
展示や陳列にも工夫がされていて、使うイメージの写真が添えられた商品も。蕎麦猪口に副菜を盛りつけて小鉢として使うことを提案するなど、“うつわは料理がのってはじめて完成形になる”という同社の考えが伝わってきます。カフェダイニングで提供中のメニューに使われている食器はもちろん、お茶や味噌などの食材も販売されているので、味や使用感が気に入ったら、食後にチェックしてみてくださいね。
「CLAY Table」は、“ちょっと贅沢な、ふだんの料理”を楽しめるカフェダイニング。ランチタイムには季節ごとに変わる「お昼のごはん」が4種類とお子さまプレートがそろっています。定番のハンバーグやフライなどでも、見た目やソースをちょっとアレンジして、発見がある一皿に。岐阜県産の米や土岐市で作られた味噌、近隣の恵那市山岡町の寒天を使うなど、地元の味も取り入れて。メイン料理にいくつもの副菜が付く定食風のメニューや、彩り豊かな野菜を添えたカレーなど、バランスの良さにも満たされます。
ドリンクやデザートのメニューも充実。コーヒーはORIGAMIドリッパーを使用するコーヒーロースターから、半年ごとにさまざまなコーヒー豆を仕入れています。ブレンドなど3種類のコーヒーと3種類のカップをペアリングした飲み比べセットや、1種類のコーヒーを3種類のカップで飲み比べるセットは、うつわの製造を手掛けるメーカーらしいメニュー。煎茶や紅茶、ハーブティー、レモネードなどその他のドリンクも豊富です。
作る楽しさを味わいたい方には、「BASE Studio」での制作体験がおすすめ。素焼きのうつわに絵の具で自由に描ける絵付体験と、転写シートを切り貼りする転写体験があります。うつわはお皿やマグ、小鉢など、さまざまな形が用意されているので好みで選んで。そのほか、講師を招いた特別講習などが行われることもあるので、公式サイトなどでチェックしてみてくださいね。
事前に予約をすると、光洋陶器の製造工場を見学することもできます。原料の土を作るところから成形や焼成など、さまざまな工程を約50分かけて見学します。熟練した人の手だからこそできる技と、最新のオートメーションを組み合わせた製造現場には驚きや発見がいっぱいです。
食器にまつわるさまざまな楽しみが詰まった「KOYO BASE」いかがでしたか?季節ごとに変わるメニューを楽しんだり、行くたびに違ったアイテムを買いそろえたり、訪れるたびに違った魅力に出合えますよ。