サイト内
ウェブ

金沢の老舗料亭が手掛けた甘味処「つぼみ」で涼やかな小昼を。

  • 2024年3月27日
  • ことりっぷ


金沢21世紀美術館の程近く、柿木畠エリアで2004年から営業を続ける「つぼみ」。上質な食材を使い、料亭仕込みの技術が施された甘味が楽しめます。
星付の名店「料亭 穂濤(ほなみ)」を本店にもち、金沢の甘味処といえば必ずと言っていいほど名が挙がる人気店です。こぢんまりとした佇まいの店先から中を覗くと、落ち着きのある空間。大きな一枚板のテーブルと数席だけを配したゆとりのある造りです。
その奥には金沢城の石垣の借景と小さな坪庭があり、その間には金沢の街中を進む辰巳用水。気候の良い時期には開け放たれた窓から、涼やかな瀬音が店内に流れ込みます。
同店を開くきっかけにもなったというのが代名詞「本葛きり」。本店の会席料理でデザートとしても提供されている一品で、最高級の吉野本葛を使用しています。手間暇をかけて作られた葛粉と職人の技で、繊細で滑らかな食感が実現した葛きり。氷水からすくい上げて黒蜜と共に上品な味わいを堪能いただけます。
葛きりの他にも「本葛もち」や、熊本産本蕨粉を使用した「本蕨もち」などつややかな和菓子がメニューに並ぶ同店には、いつも心地よい涼風が吹いているようです。
夏には毎年店先に行列が出現します。多くの方のお目当ては「つぼみの氷」です。テーブルに運ばれてくるのは、旬のフルーツを惜しげもなく使ったコンフィチュール状のシロップとふわふわの氷の山。その大きさには驚きますが、ふわふわでくちどけの良い氷は思いのほかペロリと食べられてしまいます。
5月の「完熟いちご」から始まり、路地で育てたいちじくやあんず、残暑の時期には「黄桃」が発売されます。特に人気なのが、7~8月の盛夏に提供される「白桃」。特定の産地は決めず、その時最も美味しい産地の白桃を取り寄せているため、時期が進むにつれて産地が北上していくそうです。
美味しい甘味をいだだく風情豊かな店内の設えも「つぼみ」の魅力です。城下町の町家を思わせる土壁や土間は、地元でも名の知れた職人を集めて仕上げた特別なもの。オープンから20年経った今でもモダンに感じられるセンスが見事です。街中とは思えない窓の外の景色とも釣り合いのとれた落ち着いた空間は、和のもてなしが息づき旅の疲れを癒してくれます。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.