
スイーツプロデューサー・磯崎 舞が、日常に寄り添うおやつから贈り物にも選びたくなる焼き菓子を紹介する連載『#焼き菓子部』。暖かな日差しに足取りも軽く、心が弾む季節がやってきました。気分がパッと華やぐ花モチーフの焼き菓子をいただき、春の訪れを感じてみませんか。今回は、京都発のパティスリー「KINEEL(キニール)」のルフル(バニラ)をご紹介します。
京都市中心部の東西に伸びる二条通は、風情ある町家などさまざまな店が軒を連ねるエリア。その一角にあるのが「キニール」です。戦後間もなく京都で創業した「京菓子處 鼓月」がプロデュースして2015年に誕生。これまで培ってきた技術や経験を活かした和洋折衷な菓子が人気となり、東京ミッドタウン、横浜髙島屋、神戸阪急にも店舗を展開しています。サクサク食感のラングドシャにバニラクリームを挟んだ「ルフル」は、一番人気の看板商品です。
「ルフル」という商品名は、フランス語で花を意味する「フルール」に由来する造語。一個手にとると、ひらひらと舞う花びらのようにも、ハートの形のようにも見えますね♪ パッケージの花のようなデザインと鮮やかなピンクにもときめきます。個包装で配りやすく、手みやげにもおすすめですよ。
この立体的なラングドシャの形は、京菓子作りのノウハウを活かし、職人が一つ一つ手作業で行います。焼き上がりでまだ熱く柔らかい状態の生地を、薄く均一に伸ばして素早く成型。そうすることで、さっくり軽やかな食感も生み出しています。
中に入っているクリームは、「京菓子處 鼓月」のロングセラー商品である千寿せんべいに使っているクリームと同じものを使用。一番人気のバニラはやさしい甘味で、フリーズドライのイチゴの甘酸っぱさがアクセントになっていますよ。
“お客様のお気に入りになるように”と願いが込められた店名のとおり、「ルフル」の愛らしさと確かなおいしさは贈った相手のお気に入りになるはず。