
年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、社会保険についての質問です。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、社会保険についての質問です。
■Q:60歳の女性。週3日6時間ずつパートタイムで働いています。週20時間以上働くと会社の社会保険に入らなければいけない?
「私は60歳の女性です。現在では、週3日、6時間ずつパートタイムで働いていますが、週20時間以上働くと、会社の社会保険に入らなければいけないのでしょうか?」(匿名希望)
■A:従業員数が51人以上の会社で、1週間の勤務時間が20時間を超えるような働き方かつ、月収8万8000円以上もらうようになると、社会保険に加入にすることになります
令和6年10月以降、相談者のようなパートタイムなどで働いている短時間労働者に対する社会保険の適用拡大が実施されています。特定適用事業所で働く短時間労働者は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象となります。
特定適用事業所とは、1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない)の総数が51人以上となることが見込まれる企業などのことです。
特定適用事業所で働き、1週間の所定労働時間、もしくは、1カ月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満の人のうち、次の要件を全て満たす人は社会保険に加入することになります。
①週の所定労働時間が20時間以上
②所定内賃金が月額8万8000円以上
③学生でない
相談者は、現在、週3日、6時間ずつ働いているとのことですので、週の労働時間は18時間です。現在の勤務日数・勤務時間ですと、社会保険の加入対象にはなりません。
今後、相談者が、従業員数が51人以上の会社で、週の所定労働時間が20時間を超えて働き、月額8万8000円以上もらうようになると、社会保険の加入対象になります。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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