2025/04/28 08:39 ウェザーニュース
今日28日(月)は富士山の付近に滑らかな形状の雲が出現しています。この雲は「つるし雲」と呼ばれるもので、通常の雲と違って同じようなところに留まっているように見えます。
つるし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、高い山の風下側に出現します。山の風下に吊されているように見えるので「つるし雲」と呼ばれます。
つるし雲は、
・上空を一定の強い風が吹いている
・上空の空気が湿っている
という気象条件が重なった時に発生しやすくなります。
風が山にぶつかることで上下に波打ち、風が上昇する部分で雲ができ、下降する部分で雲が消えるという動きを繰り返すことで発生します。風が強くても雲が同じ場所にとどまって見えるのは、この発生原理に由来します。
つるし雲は、富士山のような単独峰の風下では円盤状や手羽先状のレンズ雲になり、山脈の風下に出来る場合は山脈と平行な帯状のロール雲になることもあります。
上空に湿った空気が流れ込んでいるときに発生するという条件から、つるし雲が見えると天気が下り坂に向かうことが多いという観天望気(かんてんぼうき)があります。
今日は西から前線を伴った低気圧が近づくこと、日本海に別の低気圧がある影響で、富士山上空付近には南西の湿った空気が流れ込んでいます。上空では朝から風も強まっていたため、つるし雲が発生したとみられます。
観天望気の通り、今日は天気が下り坂となり、午後には雨が降り出す見込みです。つるし雲もだんだんと厚くなる雲でわからなくなるとみられます。夕方あたりは本降りの雨となる可能性がありますので、まだ雨が降っていなくても、雨具は忘れずにお持ちください。
写真:ソラカメ ライブカメラ