
都合が良すぎる女は、なんでダメ!? / 画像提供:ヤチナツ(@11yc4)
付き合い始めたばかりの彼氏は、メッセージの返信が遅く、彼女よりも男友達を優先する。彼の中で自分の順位が低いのを感じながらも、詰め寄るような面倒な女にはなりたくなくて、我慢を続けていた。そんな高解像度な20代のリアルな恋愛を描くヤチナツ(@11yc4)さんのコミックエッセイ『20時過ぎの報告会』より「考え方が2番目」に3500以上のいいねが届く。今では書籍化もされ人気漫画となった、本作を描くきっかけについても話を聞いた。
ヤチナツさんは、好きな男性に嫌われたくなくて「わがままを言えない女の子」や「ボロボロの自分って全然かわいくない」など、多くの女性の共感を集める恋愛を描いている。『20時過ぎの報告会』はヤチナツさんのブログで公開されているので、気になる人はぜひチェックしてみて。
■わめき散らす女はみっともない!?「私がガマンすれば…」がやめられない理由
考え方が2番目(1) / 画像提供:ヤチナツ(@11yc4)
考え方が2番目(2) / 画像提供:ヤチナツ(@11yc4)
考え方が2番目(3) / 画像提供:ヤチナツ(@11yc4)
一目惚れして、恋に落ちたこはる。恋愛モード全開で、すぐに告白。なんとなくお互いの温度差の違いに気付いていたけれど、空気を読んで自分の思いを飲み込んでいた。彼女なのに優先順位は低く、やりとりのテンポが遅くてイライラがたまる。
「物分かりが悪い女ではいたくない」そう思うあまり、自分の気持ちを優先できないこはる。
ある日、彼から「もう会えない」と言われる。それでも怒りをぶつけることができないこはるは、友人から「考え方が2番目だね」と指摘される。彼との関係を続けたくて我慢してきたけれど、それが「2番目の考え方」だと気付かされたのだった。
作者のヤチナツさんは「社会人2年目くらいで彼氏が欲しくて、むやみに動き回っている時に溜まったストレスの発散と、発見を共有したかったために描き始めました」と本作が生まれたきっかけについて明かしてくれた。「当初はエッセイ漫画にすると感じが悪い内容ばかりだったので、フィクションという体裁を作りました。今ではすっかりフィクションです」と制作の裏側についても語ってくれた。
ヤチナツさんの描く恋愛は、まるで私たちのすぐ隣で起きているようにリアルで、時に切ない。なぜこんなにも心を揺さぶる描写ができるのか、と尋ねたところ「私自身がそれぞれの内面の機微に興味があり、またその内面の機微を細かく話し合える友達がいるので、作品に生かされているんだと思います」と語る。ヤチナツさん自身が友人と「20時過ぎの報告会」を重ねてきたことが伝わってくる。
自分らしさを貫いていたら、恋愛は続かないのかもしれない。そんな葛藤を抱える読者たちにヤチナツさんの作品は、「明日への活力をもらえる」と共感を集めている。
取材協力:ヤチナツ(@11yc4)