「怖かったら一杯無料」を謳い文句に、実話ホラーを語ってくれる客を待つ、スナック店主兼シナリオライターのエミ。霊感ゼロながらも、なぜか彼女の元には続々とコワイ話が集まってくる…。そんな珠玉の“コワイ話”を1話完結で展開していく漫画「丑三つ時、コワい話はこのBarで」。そこにつづられているストーリーは、フジテレビ「ほんとにあった怖い話」や「呪怨 THE LIVE」の脚本家でもあり、本作の原作者・穂科エミさんが集めた実話がもとになっているというから驚きだ。
今回は、第5話「近藤さん」の前編を紹介するとともに、原作者の穂科エミさん、漫画を担当している近原さんのお2人に話を伺った。
今回エミの店を訪れていたのは、1話にも登場した老舗ゲイバーの美和ママ。美和ママは「いいネタがある」と、近隣の店で話題になっている不思議な人物「近藤さん」の話をし始めた。一見、人当たりも羽振りもいいという「近藤さん」だが、彼が店をあとにするとなぜか顔も姿も話した内容も思い出せないという。そんな話をしていると、ひとりの客がやってきた。彼は「近藤と申します」と名乗り…。
■原作者・穂科エミさん&漫画担当・近原さんインタビュー
原作者である穂科エミさんと漫画を手掛ける近原さんに、制作秘話などを聞いた。
――5話も実話がベースとなっているかと思いますが、この話をお聞きになったときの感想をお聞かせください。
【穂科】印象は強かったはずなのに名前以外全く思い出せないお客様…というのがすごくおもしろいなと思いました。霊なのか、生霊なのか、はたまた怪異なのか…こういう都市伝説みたいなエピソードにすごく興味があります。
――5話の漫画を読まれてみて、いかがでしたか?
【穂科】何を考えているかわからない、全く感情が見えない近藤さんの優しい笑顔が「絶対何か来るぞ…」と思わせてくれて、ゾワゾワしました。
――近原さんは漫画を描くにあたり5話のストーリーをご覧になったとき、どのように思われましたか?
【近原】人伝てに広まる真意の曖昧な都市伝説系のお話は、創造力が掻き立てられてワクワクするのでとても大好きです。禁忌やタブー事は不安と期待を煽りますし、不特定多数の人たちが集まるバーとの相性も最高にいいと思いました。
「丑三つ時、コワい話はこのBarで」は穂科さんが人から聞いた話や、穂科さん自身の実体験エピソードがもとになっているとのことで、“本当にこんなことが!?”と考えながら読むと、より一層怖くて惹き込まれる。近々、「丑三つ時、コワい話はこのBarで」の書籍が発売予定ということで、そちらもお楽しみに!
取材協力:穂科エミ(@hbdg1999)、近原