動物、お金、食文化などさまざまなモチーフを題材に、シリアスとギャグを詰め込んだ4コマ漫画を描くのは、漫画家・イラストレーターとして活躍する雪のヤドカリ(@yukinohotel)さん。意味がわかるとおもしろい、じわじわ笑えてくる「癖になる文学的なオチ」を味わってみてください。
今回は、お詫びの品を持って謝罪に訪れたときの漫画などを含む、「新人」をモチーフにした4コマ漫画をご紹介します。
――4コマ漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。
雪のヤドカリさん(以下:雪のヤドカリ):元々小さいころからお笑いが大好きで、漫才やコントや大喜利、コメディ映画とかを夢中で見ていました。そのうちに、高校1年生くらいから小さいノートを持ち歩いてネタや大喜利の回答を書くようになっていました。これは大学生になっても社会人になっても続けていたのですが、特に何らかの形にすることはありませんでした。
ただ、大学の落研で私の大喜利を見た後輩が「プロの大喜利をする人になれますよ!」(プロの大喜利をする人?)と言ってくれたのが引っかかっていて、「このままでいいのかな?」という気持ちがずっとありました。
そんな中で、あるとき生物ライターの平坂寛さんの記事を見つけて、好きなものに夢中で向き合う姿がガツン!と胸に響いて、そこでようやく「私もやらんと!」となったんです。
とはいえその頃はコロナ渦真っ只中で、自分に合っていて家でもできるようなネタ発表の方法はないかな~?と考えたときに4コマ漫画に思い当たり、描き始めました。
――ゴリラの話は、どういったタイミングで着想を得たのでしょうか?
雪のヤドカリ:ゴリラの話は「ランダム単語ガチャ」というサイトでランダムに決めたお題に従って描いたものです。
そのとき出たお題が「常識人」だったので、逆に常識はずれな行動をいくつか考えて(謝罪の手土産がバナナ1房、他人の車のボンネットで目玉焼きを焼く、賽銭つかみ取り大会を開催する、など)、その先の展開を想像して…という風に考えていきました。
――4コマ漫画はオチから考えますか?3コマまで考えてからオチを考えますか?
雪のヤドカリ:ゴリラの話の1コマ目のように、状況を一言で表すセリフを考えてから描き進めていくことが多いです。
1コマ目の状況が決まったら、その先の展開やオチをパパッといくつか考えて、一番気に入ったものを描き起こす感じです。
たまに4コマ目のオチが決まってから考えることもあります(とんぼの話がそうです)。