
今年もウォーカープラスでは、SNSで話題の漫画や作品を数多く紹介してきた。2022年も残すところあと少しの今、取り上げた中でも特に注目を集めた作品や作家を通して本年を振り返る。
今回は、Twitter上でオリジナルの4コマ漫画を発表し人気のあくまでクマ(@akmd_kuma)さんの作品から、Twitterユーザーからの反響を呼んだ4コマ「イマジナリーフレンドに裏切られる子」を紹介したい。
■マラソンで約束したのが架空の友人だったら…王道パターンのズラしにニヤリ
「イマジナリーフレンドに裏切られる子」は6月に投稿され、5万7000件以上のいいねを集めた作品。「一緒にゴールしようね!」という、学校のマラソン大会でお決まりの台詞を女の子が告げるところからはじまる。
いいよと約束してくれた友人とともに走り出した女の子だが、数十分経つと友人に置いてけぼりにされてしまう。結局1位は友人、自分は2位でゴールし、表彰台で「一緒にゴールしよって言ったのに!」と文句を言う女の子。
だが、その友人は女の子の空想上の人物、“イマジナリーフレンド”。現実には女の子がぶっちぎりの1位だった、というオチ。
定番のシチュエーションに一つ設定を加えたことでユニークなオチに大化けした作品で、読者からも「イマジナリーフレンドいい奴だな」「足早いやんけ」「レースゲームのゴースト」とさまざまなツッコミやコメントが寄せられた。
作者のあくまでクマさんも、「2022年に描いた中で一番気に入ってる4コマ漫画ですね」と振り返る。
「描き上げた時は自分の中で『こういう漫画を描きたい』と思うほど好きな4コマ漫画でした。なので正直なところ、一部の人が面白いと思ってもらえればいいかなという気持ちで投稿したら、思ったより反響が大きくてとても嬉しかったです。こういった『自分が描きたいもの』と『読者が面白いと思ってもらえるもの』がマッチしたような漫画ができればと思います」
■「インプットは積極的に」柔軟なアイデアの源泉
また、ウォーカープラスがピックアップした本作以外にも、あくまでクマさんに今年お気に入りの作品を選んでもらったのが、2月に投稿された2コマ漫画「好き嫌い」だ。
食事のトマトを残して「好き嫌いはいけません!」と母に叱られる娘。けれど、娘は「トマトは嫌いじゃなくて無関心なだけ」と、よく言われる「好きの反対は無関心」という言葉をあてはめて反論するというネタ。
同作は「たまたま観ていた映画で『好きの反対は嫌いではなく無関心』というセリフがあって、それが何となく引っかかったのがきっかけで出来た漫画」だそう。「映画がきっかけで思いつくことはよくあるので、インプットは積極的にしたほうがいいとすごく感じさせられます」と、アイデアを生み出す意識にも触れてくれた。
今年、数万件を超えるいいねを集めた作品をたびたび発表したあくまでクマさん。2022年がどんな一年だったか質問すると「今年は漫画でバズることが今まで一番多かった一年でした。というより去年までバズること自体あまりなかったので、やっと多くの人に読んでもらえるような漫画が描けるようになったというのを実感してます。結構長い道のりでした」という答えが返ってきた。
合わせて、2023年の抱負についてもうかがった。
「去年よりさらに進化していると思ってもらえるような漫画制作ができればと思っています。あと最近はイラスト制作を依頼されることもあったので、自分のできることをどんどん増やして活動の幅を広げたいと思っていますね」
取材協力:あくまでクマ(@akmd_kuma)