前代未聞すぎる…“英語の教材”っぽい異世界漫画に抱腹絶倒「ジョージ凄い」「最強の漫画」

  • 2022年12月21日
  • Walkerplus

小中学生の英語の教材につきものなのが、会話文のために登場するオリジナルキャラクターたち。教材ごとにまちまちとは言え、シンプルで素朴なテイストの登場人物を思い描く人も多いだろう。そんな「英語の教科書」風のやり取りとキャラクターではじまる異世界転移漫画が、「有能過ぎて笑う」「最強の漫画」「日本語覚えてどうするんだ」と、怒涛の展開で爆笑とツッコミを呼んでいる。

■ジョージが理不尽に強すぎる…爆笑必至の「教科書風」異世界漫画
話題を呼んだのは、漫画家のsho.t(ショウ)(@shoshot005)さんがWEB上に公開した「ISEKAIジョージ」。英語の教科書のキャラクターのような外国人・ジョージの、「I want to go to “ISEKAI” and have an adventure!(私も“異世界”に行って冒険したいよ!)」と、いかにも教材の例文のようなひとりごとから物語は始まる。

その瞬間、異世界に転移してしまったジョージ。そこで女神に出会うものの、「まいったなあ私日本語以外さっぱりなのに」と、まさかの日本語話者で早くも雲行きが怪しくなる。そんな中、女神から魔法の力を与えられたジョージが異世界を冒険する連作短編漫画だ。

教材を彷彿とさせるかわいらしい絵柄で描かれ、淡々と穏やかなジョージのキャラクターはぶれない一方、隙あらば串刺しになったり、与えられた魔法が強すぎて魔王ですら一撃で爆発させてしまったりと、展開は強烈。パーティー追放や獣人の少女を救うといった異世界ものでありがちな展開をなぞりながら、そのすべてを無自覚にめちゃくちゃにしてしまうジョージの天然っぷりが恐ろしい。

また、第1話の章タイトルが「1 三十連休を楽しむジョージ」、第2話は「5 危険なダンジョンを探索するジョージ一行」と、あくまで一冊の英語の教材の中から抜粋したという雰囲気で進むものの、なぜか途中からジョージの英語パートがなくなってしまうなど、さまざまな意味で笑いどころが満載の作品となっている。

■「なぜ異世界で日本語?」素朴な疑問から始まった「英語話者の転移」
作者のsho.tさんは、プロの漫画家として活動するかたわら、個人制作の作品をSNS上に投稿。sho.tさんは以前にも「異世界転生モノにさほど詳しくない人間が描いたギリギリ異世界転生しないお話」という漫画を公開し、「異世界もの」のお約束をことごとく裏切るストーリーで反響を呼んだ。

その作品のタイトルからも分かる通り、もともと「異世界転生・転移もの」というジャンルに詳しくなかったというsho.tさん。「ISEKAIジョージ」は、“外国人から英語で話しかけられて困惑する女神様”という1コマ漫画からスタートしたと振り返る。

「気にする人はほとんどいないようですが、異世界ものにおいて私は『何故日本語しか喋れない人が異世界の人と普通に喋れるんだろう』という疑問を抱いていました。きっと異世界の共通語は日本語なのだと勘違いした私は、『それなら英語しか喋れない人を送り込んだらどうなるだろう』という好奇心で続きを描いたのだと思います」

また描き始める際には“英語の教科書”風にしようという考えがあったわけではないそう。「描き終わってから読み直してみるとなんとなく英語の教材っぽく見えたのでそういう文言をつけましたが、最初からそういう意図があったわけではありません。ただ英会話についていろいろと調べることができたので、とても勉強になりました」と話す。

そんな本作は、主人公のジョージが見せるほとんど理不尽と言ってもいい活躍も見どころの一つ。sho.tさん自身「こんな恐ろしい奴になるとは」とつぶやくほどのキャラクターや展開は、作品を描く中で見つけていったものだったという。

「後学のために異世界漫画を読む中で私は『異世界にやってきた特殊な力を持つ主人公は、現地の人からしたら危険な外来生物に違いない』という印象を抱きました。それが影響してか、無意識的にジョージを危険な存在にしたのかもしれません。

先のことを何も考えずに描き始めた漫画なのでどうしたものかと思っていたのですが、ジョージが最初に“やらかした”時にやっとオチを決めることができました。最初から最後まで内容を決めて描くのも楽しいですが、霧の中をさ迷いながら先の道を探るように、『描いていく中で先の展開を見出す』という感覚を味わえたような気がします」

2022年、たびたびSNSで話題を呼ぶ作品を公開した他、商業誌でも「good!アフタヌーン」(講談社)にて読み切り「グランダッド・グランドータ」を発表したsho.tさん。最後に、来年の抱負を聞いた。

「SNSでの活動は不定期ですが、これからも練習というか、実験的な試みとして思いつきの漫画やイラストを投稿していきたいと考えています。ただ、そればかりに力を入れても仕方がないので、どうにか来年は漫画のお仕事でお金をもらえる年にしたいです。また、今回紹介していただいた作品以外にも、いくつかの作品を投稿しています。最近では、AIクリエイターを題材とした『ザ・ミューズ』や『ミューズの使い方』を投稿しました。暇つぶしがてらに読んでいただけると嬉しいです」

取材協力:sho.t(ショウ)(@shoshot005)

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