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第10回 マタニティとママのための骨盤調整ヨガ—Self Adjustment

  • 2011年11月24日

妊娠中・出産時・産後のカラダを整える「丹田呼吸」をやってみよう

 「丹田」という言葉を聞いたことがありますか。丹田というのは下腹(おヘソより3cm位下)のあたりを中心に身体に宿る意識、心の安定や生殖能力、人を率いる力、意志力などを司るといわれています。生きていく上で、または子育てをしていく上で、とても大切な意識です。私もヨガを始めるまでは、丹田なんて" 少しも" 意識できませんでした。
 何回、意識的に身体を使った「よい呼吸」を行っているでしょうか。何かに集中していると呼吸を止めてしまっていたり、気持ちがはやると呼吸が浅く短く不規則になったりすることがあると思います。
 また鼻呼吸でなく口から「吸う・吐く」の呼吸を行っている人も多くみられると思います。口からの呼吸では、口腔内が乾いたり喉に負担がかかったり、ウィルスの侵入の危険性も高くなります。体の深部を意識したヨガ的呼吸を練習しましょう。呼吸が安定すれば、心も身体もバランスを取り戻し、安定したバランスを感じることができるでしょう。

丹田呼吸

丹田呼吸
 身体の状態を改善するヨガの練習の中で、いちばんお勧めしたいのが「丹田呼吸」です。この呼吸法は、出産のときにも大変役に立ちました。丹田を意識できなかった頃の私は、小さなことにもビックリしていましたが、ヨガの練習と、妊娠・出産を通して丹田を感じ取れるようになり、「肚」の意識が養われてきたように感じます。
 子育てにはこの安定した心、意識がとっても重要だなと思います。また、子どもにとって(特に妊娠中・乳幼児のころ)は、母こそが環境そのもの、大地のようなものです。お母さんが安定した気持ちで過ごしていられるようにすることは、子どもに安定した環境を与えるのと同じことだと思うのです。

【丹田呼吸】

  1. 安楽座になる。両手は親指と人差し指で輪をつくり、手のひらを上に向け膝の上におく。
     ※ 呼吸は鼻から吸って鼻から吐くように。
  2. 息を吸って胸を大きくふくらませるように胸郭を開く。
    いったん息を止めてそのまま、その呼吸をへそ下(丹田)に下すように、へそ下を膨らませる。
  3. 苦しくなったら吐く息でゆっくりとへそ下が薄くなっていくように息を吐ききる。
 

安定した気持ちで子育てを楽しめるように

 子育てをしていると、ときどきヒヤリとすることってありますよね。また、ついイライラして感情的な言葉をぶつけてしまうこともあるかもしれません。むしろ、そんなふうにならない、というお母さんなんていないと思います。でも、子どもに「よいこと」「よくないこと」を教えるときはとくに、安定した精神状態で、腹(丹田)に意識(心)をおいて伝えないと、ちゃんと伝わらないと思います。
 以前乗馬をしたときに、「馬は上に乗る人の身体のバランス」を読み取り、自分をうまく乗りこなしてくれる人であれば、従順に指示通りに動くけれど、乗り手が過度に緊張していたり身体バランス感覚が悪かったりすると動かなかったり、ときに振り落とそうとすることもあると教えてもらったことがあります。
 子どもを馬に例えるのは不適切かもしれませんが、子どももお話の内容よりも、その伝え方や伝える人のボディセンスを感じ取っています。「この人の言うことはちゃんと聞かなくてはいけないな」とか「今言われていることは大事なことだぞ」とか、感じ取っているのです。子どもを育てていると、育てているこちらが育てられているなあと感じるときは、まさにこんなときです。感情的になって、またはヒステリックに、または自分のほうが焦ってしまったりしている状態で発せられる言葉には、子どもは耳を傾けてくれないことが多いと思います。
 子どもを叱るとき、褒めるとき、大切に思っていることを伝えるとき、あなたはどんなふうに表現していますか。叱るときは、腹(丹田)から、褒めるとき、または愛している気持ちを伝えるときは胸から、言葉より心を伝えるようにしてみてください。

■筆者紹介

高橋由紀さん 高橋由紀

身体の不調から自身の体質改善のためヨガをはじめ、病を克服。ヨガ歴12年。一児の母。日本におけるベビーヨガの第一人者として活躍。2000年より、医療機関に勤める傍ら、ヨガの指導のほか、ベビーマッサージ講習会・子供の能力開発や親子のストレスマネジメントをはかるためのクラス・遊びや運動を通して親子のコミュニケーションをはかる活動等に取り組む。数々のボディワーク・呼吸法・身体の調整法・食育を学ぶ。2005年 武道・ヨガ・瞑想を融合したホリスティックトレーニングbudokon-武道魂、日本最初の公式インストラクターとなる。日本語版DVDにも出演、他TV・雑誌など出演多数。2006年親子で渡タイし、タイヨガマッサージを学び、タイ国政府文部省公認タイヨガマッサージ師資格・ルーシーダットン指導者資格取得。2008年Baby Yoga Associatesを代表の新井とともに設立し、ベビーヨガ・キッズヨガ・Self Adjustment-骨盤調整ヨガなどのプログラムを開発し、講師の育成にあたる。日本古来の育児法に基づくヨガ的育児DVD「Baby Yoga Therapy」のほか、ベビーヨガの祖として世界的に有名なイギリスのフリードマン博士のDVDの日本語版プログラム監修を行う。現在日本各地のスタジオにて、Baby Yoga・Kids Yoga・Self Adjustment(r)-骨盤調整ヨガ等のインストラクターをつとめる。
(株)Baby Yoga Associates 取締役・Program Director HP:http://www.baby-yoga.jp/

 

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