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Vol.17 一服のお茶からホットな絆
LOHASコンシェルジェ 西川暢子さん

  • 2010年8月1日

一服のお茶からホットな絆

ポット
「みまもり中」の緑のランプ。試作機は「通信可」でしたが、それを見た象印社長が「みまもり中」にしようと発案したそうです
伯母と娘
ポットのお陰で伯母の家に遊びに行くことが増えました
 復職日から1週間たってようやく出社すると西川さんを待っていた仕事は「みまもりほっとライン」の担当SEでした。離れて暮らしている親が電気ポットを使用すると、その情報を子がEメールで受け取れるというサービスです。背景には孤独死への不安という切実な問題があるのですが、親が普通にお茶を飲んでいるだけで、さりげなくみまもることができるという、ほどよい距離感が特徴です。
 「私の会社は、ポットのデータを受け取ってEメールを送信するというデータセンターの運営を行っています。私はみまもりほっとラインについて、詳細は知りませんでしたが、すでにサービス開始から3年が経過しており、社内的にはさまざまな課題が発生していました。それを整理し、運営主体の象印さんと相談しながら、解決する役目となったのです。
 担当となって、象印さんと話す機会が多くなると、その思いの熱さに驚かされることとなりました。それというのも、使用されている方たちから心温まるメッセージがたくさん寄せられて来るのです。『みまもり中の緑のランプが、私をみまもってくれている』というような長文のお手紙を拝見するたびに、仕事中でも涙をこらえるのに苦労しました」
 「課題を整理し、経営陣に上申するというころには、遅くまで残業することが増え、まだ授乳をしていた娘を実家に預けることが多くなりました。夜、親が待ち構えていて『どういうつもりなんだ』と詰め寄られたこともありましたが、私もみまもりほっとラインの役に立ちたい思いでいっぱいになっていたのです。
 状況が一段落したころ、自分もみまもりほっとラインの利用者になりたくて、ひとり暮らしの伯母にポットを使ってもらうことにしました。メールを見ると、伯母は季節に関わらず朝夕規則正しくポットを使用していました。このようなライフスタイルだと変調があればすぐにわかりそうです」


新矢さんと
象印の新矢さん(右)と西川さん。新矢さんがポットを見つめるまなざしはわが子を慈しむかのようです
 「象印のご担当である新矢さんによると、電話や、ましてやセンサーではなく、さりげなく毎日みまもりたいという思いの方が多いのだそうです。親御さんが千葉にいらっしゃる神奈川の娘さんに『私は象印さんにはめられた』と言われてびっくりしたことがあったそうです。それに続く言葉は、『私にとって、毎日のこのメールが、“かけがえのないたより”となっているのです』という、最高の賛辞であったそうです。『元気だよ』という気持ちをこめてお湯を注ぐ親御さんの心が伝わってくると。
 今思えば、一服のお茶でさりげなく安心を与えてくれる『みまもりほっとライン』は、LOHASなソリューションだと思われてなりません」

 西川さんが今感じている課題のひとつは、「ITのビジネスソリューションとLOHASをうまく融合できないか」というものです。「みまもりほっとラインのようなソリューションはなかなかないのですが、それでもあきらめずにSustainable社会に貢献できるようなソリューションを生み出したいというのが今の夢なんです」



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