弾力のある食感やうま味、彩りが魅力のかまぼこ。でも、1本まるごとで購入すると賞味期限内に食べ切れなかった!ということ、ありませんか?もし、 かまぼこが冷凍保存できるなら便利ですよね。
そこで今回は、かまぼこは冷凍保存ができるのかに注目。その方法や解凍まで、かまぼこの冷凍にまつわる疑問についてまとめて調べてみました!
おせち料理やお弁当、普段のおかずなどに活躍するかまぼこ。切って盛るだけで一品になったり、彩りがアップしたり、魚介のうま味もプラスされたりと、便利な食材のひとつですよね。
でも、かまぼこは1本を使い切れずに残ってしまうことも多いもの。そして、一度開封すると保存性が急激に下がってしまうので注意が必要です。
日本かまぼこ協会の公式サイトによると、未開封のかまぼこなら、冷蔵での賞味期限は1~2週間が目安。開封したあとは2日以内に食べるのがよいとされています。2日となると、なかなかタイトですよね…。
そこで、かまぼこが余ったときは冷凍保存ができるのか、見ていきましょう!
同じく日本かまぼこ協会のサイトによると、かまぼこを冷凍保存するには、急速冷凍をするのが大事なのだとか。
と言うのも、ゆっくりと冷凍が進むと、かまぼこ中に含まれる水分が抜け落ちて、冷凍が済んだころにはその分が「す」となってしまうのです。
「す」とは、気孔のような穴のこと。なめらかだったかまぼこも、冷凍すると小さな穴が開いて食感が悪くなるというわけです。
実際、かまぼこは板に付いた分厚い状態では、中心部まで急速に冷凍することは困難ですよね。そのため、同サイトでは、かまぼこを家庭で冷凍することは推奨していません。
それでも、どうしてもかまぼこを冷凍したくなったら…。
冷凍すると「す」が入って食感は落ちるものの、生地は凍りますし、解凍して使うこともできなくはありません。ただし、味の面でも保存性の面でも、「自己責任の範囲内で」ということになります。
冷凍保存が推奨されていないかまぼこですが、主婦としては食材を簡単に捨てたくないもの! 「できないことはない」なら、できる限りよい状態で冷凍保存するためにできる方法を考えてみましょう。
一番大事なポイントである「かまぼこの急速冷凍」を家庭で実現するためには、次のような方法で冷凍してみてはいかがでしょうか。
手順1:板から外す
かまぼこの厚みが「す」を作る原因でしたよね。かまぼこの板はカビ防止などの効果がありますが、冷凍保存するときには外します。
板に付けたままでは厚みが出て、冷凍ムラの原因になるためです。かまぼこと板の間に包丁の背を差し込んで、かまぼこを板から切り離しましょう。
手順2:使いやすいサイズに切る
薄く切るほど冷凍スピードが上がり、「す」が入りにくくなります。料理に入れるときのことを考えて、使いやすいサイズに切っておけば、そのまま鍋などに投入することもできますよ。
手順3:1枚ずつラップに包む
空気にふれさせないようにラップで包みます。1枚ずつラップで包んでおくと、冷凍したときかまぼこ同士がくっつかないので、のちのち便利。
手順4:金属製のバットにのせて冷凍庫へ
熱伝導のよい金属でできたバットやトレーは急速冷凍に役立つアイテム。冷凍時には、金属製のバットやトレーの上にラップでくるんだかまぼこをのせて冷凍庫へ入れるのがおすすめです。
急速冷凍室がある冷蔵庫なら、そちらへ入れるとスムーズ。
手順5:フリーザーバッグにまとめる
かまぼこが凍ったら、フリーザーバッグへまとめて入れて冷凍庫へ。雑菌の侵入を防ぐために、フリーザーバッグの空気は抜いて口を閉じるとよいでしょう。
・衛生面や味のことを考えると、賞味期限ギリギリになってからではなく、なるべく新鮮なうちに冷凍してしまうのがおすすめ。
・かまぼこは雑菌が繁殖しやすい食材。冷凍保存用に切り分けるときには、切る前に包丁にさっと熱湯をかけて使うと雑菌が付きにくくなります。
・かまぼこの「す」を作るために、あえて厚めに切る、という方法もあります。「す」があることのメリットは、のちほどお話ししますね♪
・空気は冷凍時に食材を酸化させたり乾燥させたりする原因に。フリーザーバッグに入れたら空気をしっかり抜き、密閉状態にしましょう。
かまぼこの素材が魚であることを考えると、冷凍での保存期間はだいたい2週間~1カ月が目安。冷凍中も乾燥や冷凍焼けが進んでいくので、なるべく早めに食べ切るとよいでしょう。
急速冷凍でなるべくよい状態で保存をしたかまぼこ。解凍して使うときにも、ちょっと注意したいことがあるのでポイントをチェックしておきましょう。
使いたい分だけ冷蔵庫へ移し、解凍をするのが基本。解凍時間は薄さによります。冷蔵庫のなかで解凍するのであれば使う日の前日に冷蔵庫へ移しておくとスムーズ。
・料理によっては、解凍せずにそのまま使えます。熱い煮汁やスープに入れて煮るなら、冷凍のまま加えてもOK。
・常温において解凍することもできますが、溶けた部分から細菌が繁殖しやすい温度帯におかれることになるので、おすすめはできません。
・急いでいるときは電子レンジで温めて解凍することもできますが、電子レンジでは加熱ムラが起きることも。冷蔵庫でゆっくり解凍することで、かまぼこの劣化をなるべく抑えられますよ♪
・「す」が入っているかまぼこは、見た目が気にならない焼き料理や揚げ料理、かえっておいしくできる煮物などに使用するのがおすすめ。
冷凍するとかまぼこの食感はちょっと落ちますが、長く保存でき、食材を最後まで使い切れるのはうれしいですよね。
あくまでも推奨はされていない保存方法なので自己責任にはなりますが、かまぼこが余りそうなときには冷凍保存を試してみてはいかがでしょうか。
文/北浦芙三子 ※暮らしニスタの記事を再編集して配信しています。