サイト内
ウェブ

「シェールオイル」 詳細解説

読み:
しぇーるおいる
英名:
Shale oil

代表的な化石燃料の石油は、太古の生物が地中深くで変質し原油となったものだ。一般的には地中深く掘り下げた油井(ゆせい)から採取される。一方、地下深くにある泥岩の中でも固い頁(けつ)岩(シェール)という層には、多くの原油が貯留されている。このシェール層から採取した原油のことをシェールオイル、またはタイトオイルという。その存在は以前から知られていたが、21世紀に入り、水平掘削技術や水圧破砕法(フラッキング)などの採掘技術が急速に進歩して、商業ベースでの開発が可能となった。

とくに米国やカナダなどで開発が進んでおり、米国のカリフォニアやテキサス、ノースダコタなど各州ではすでに採掘が始まっている。同様にシェール層から採取するシェールガスとともに、世界のエネルギー地図を書きかえる非在来型の化石燃料として注目されている。これまで石油の採掘可能年数は約40年と言われてきたが、シェールオイルを勘定に入れると数倍になる可能性があるからだ。ほかにも、欧州や豪州などにシェール層があることがわかっている。

2012年になって、日本にも有力なシェール層があることが判明した。石油資源開発(株)は、秋田県内の女川層で、(独法)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とともにシェールオイルに関する技術研究を行っていることを公表した。技術研究の結果次第では、新規掘削に向けた試験が行われる可能性もある。

生産拡大に向けた海外での開発事業に参加する日本企業は少なくなく、金融面から支援するプロジェクトも動き出している。国際協力銀行(JBIC)は2012年7月、民間金融機関との協調融資により、日揮の100%出資子会社である米国法人との間で、協調融資総額7000万ドルの貸付契約に調印した。JBICはこれに続き同年8月には、国際石油開発帝石(INPEX)との間で協調融資総額3億ドルの貸付契約に調印した。

シェールオイルの採掘に対しては、シェールガスと同じように環境への影響を懸念する意見がある。シェール層の岩盤を破砕する際に有害な成分が地中へ広がって、周辺の土地や地下水、河川水などを汚染するおそれがあるとの指摘だ。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。