二十四節気(にじゅうしせっき)とは、太陽の運行を基準にした季節の区分法で、1太陽年(365日)を24等分したものだ。発祥は古代中国であり、二十四節気の名称は当時の文化中心であった黄河流域(大陸的気候)を基準としている。いわゆる旧暦の太陰太陽暦は月の運行を基準としており、実際の季節とのずれが生じる。しかし、農作業など季節と密接に結びついた作業では正確な季節を知る必要があるために二十四節気が考案された。四季に恵まれた日本にも、季節の変化を示すものとして根付いた。
旧暦の太陰太陽暦とどこが違うのか。旧暦は、新月を毎月の第1日として15日か16日が満月になる暦だが、月の満ち欠けの周期が約29日半であるため、30日の大の月と29日の小の月を組み合わせた12カ月を1年とすると約354日となり、太陽の運行を基準とした1年より11日ほど短くなってしまう。そこで、実際の季節とのずれが1カ月以上にならないよう、ずれが1カ月になったところで、29日か30日の閏月(うるうづき)を設けている。
これに対し二十四節気は、太陽の黄道上の運行を基準とした1年を24等分したものであり、年によっての日付のずれは約1日前後だ。1年は春夏秋冬の4つの季節に分けられ、さらにそれぞれが6つに分けられ、節気(せっき)と中気(ちゅうき)が交互にある。旧暦の閏月を設ける基準ともなっており、中気のない月が閏月となる。当初は冬至を起点としていたが、軌道が楕円であるために太陽が黄道上を運行する速度は一定ではない。そこで現在では、太陽が春分点を基点として15度移動するごとに1節気としている。
具体的には、次の節気がある。
春:立春(りっしゅん)(1月節、2月4日頃)、雨水(うすい)(1月中、2月19日頃)、啓蟄(けいちつ)(2月節、3月5日頃)、春分(しゅんぶん)(2月中、3月21日頃)、清明(せいめい)(3月節、4月5日頃)、穀雨(こくう)(3月中、4月20日頃)
夏:立夏(りっか)(4月節、5月5日頃)、小満(しょうまん)(4月中、5月21日頃)、芒種(ぼうしゅ)(5月節、6月6日頃)、夏至(げし)(5月中、6月21日頃)、小暑(しょうしょ)(6月節、7月7日頃)、大暑(たいしょ)(6月中、7月23日頃)
秋:立秋(りっしゅう)(7月節、8月8日頃)、処暑(しょしょ)(7月中、8月23日頃)、白露(はくろ)(8月節、9月8日頃)、秋分(しゅうぶん)(8月中、9月23日頃)、寒露(かんろ)(9月節、10月8日頃)、霜降(そうこう)(9月中、10月24日頃)
冬:立冬(りっとう)(10月節、11月7日頃)、小雪(しょうせつ)(10月中、11月22日頃)、大雪(たいせつ)(11月節、12月7日頃)、冬至(とうじ)(11月中、12月21日頃)、小寒(しょうかん)(12月節、1月5日頃)、大寒(だいかん)(12月中、1月21日頃)
また、二十四節気を補う季節の移り変わりの目安として、雑節(ざっせつ)がある。社日(しゃにち)、節分(せつぶん)、彼岸(ひがん)、土用(どよう)、八十八夜(はちじゅうはちや)、入梅(にゅうばい)、半夏生(はんげしょう)、二百十日(にひゃくとおか)、二百ニ十日(にひゃくはつか)、などだ。