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「太陽電池」 詳細解説

読み:
たいようでんち
英名:
Solar Cell

太陽電池は半導体の一種で、地球上に届く太陽の光エネルギーを直接電気に変えることができる。電池といっても電気をためる蓄電機能はなく、太陽光を受けている間だけ電気を発生する。太陽電池を使った太陽光発電は、半永久的な太陽エネルギーの一部を利用でき、しかも、石油などの化石燃料と違って燃焼により二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスや廃棄物を発生しないため、クリーンな発電技術として期待されている。

太陽電池は規模の大小にかかわらず、ほぼ一定の効率で発電できる。曇りの日の太陽でも、蛍光灯などの室内光でも発電でき、発電効率は光の強さによって変化しない。地球に降り注ぐ太陽エネルギーは、わずか1時間で全世界の年間エネルギー消費量に匹敵すると言われているが、今のところ太陽電池の変換効率は10%から20%程度。日本における年間発電量は、平均で約1000kWh/年/kWp(設備量1kWpあたり)だ。また、通常の発電システムでは、発電所から消費地まで送電する必要があるが、太陽電池の場合は使う場所で発電できるため、送電用のインフラ整備が不要というメリットもある。

太陽電池は1954年に米国で発明され、1970年代のオイルショックを機に石油などの代替エネルギーとしてその技術が注目された。また、地球環境問題の観点からも必要性が高まって技術開発が進み、光から電気への変換効率が向上し、コストも下がってきた。現在、腕時計などの日用品や、街路灯などのインフラ、さらには宇宙ステーションまでさまざまなところで利用されている。2007年までの世界全体の太陽電池の導入量は約8GWで、2006年12月末現在、世界全体で570万kWもの太陽光発電が導入されている。導入量1位はドイツで、日本は2位だ。

太陽電池の種類は、使われる半導体によってさまざまなものがあり、シリコン系と化合物系他に大別できる。シリコン系の太陽電池のうち、単結晶または多結晶のシリコン基板を使用したタイプは、発電効率が優れている。現在最も多く使われている太陽電池は、発電のために性質の異なるn型シリコンとp型シリコンの2つのシリコン半導体を重ね合わせて使用するシリコン太陽電池だ。しかし、原材料となるシリコンが不足しており、製造コストが上がることによる普及への影響を懸念する声もある。一方、ガラスなどの上に薄いシリコン膜を形成してつくる薄膜系シリコンを使って面積の大きい太陽電池を生産する技術もある。

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