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「化石燃料」 詳細解説

読み:
かせきねんりょう
英名:
Fossil Fuels

地球上の生物はすべて、太陽エネルギーによって生命を維持している。地球上に生命が誕生したのが今から約35億年前といわれている。石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料は、古代地質時代の動植物やプランクトンの死骸が地中に大量に堆積し、長い時間をかけて有機物の燃料に変化したものと考えられている。つまり化石燃料を利用することは、生物の死骸の中に閉じ込められた太陽エネルギーを、再び燃料として取り出すということになる。

これらの化石エネルギーを人類が利用し始めたのは、18世紀に起きた産業革命以後だ。当初は石炭が使われ、やがて精製技術の発達などによって先進国を中心に石油が利用されるようになった。また、最近では天然ガスの利用も進んでいる。天然ガスは、天然に存在するメタンを主成分とする可燃性のガスで、燃焼時に煙がほとんど発生せず、二酸化炭素の発生量が石炭や石油に比べて少ないため、クリーンなエネルギーとして注目されている。

化石燃料の長所は、輸送や貯蔵が容易であることや、エネルギー効率が高いことなどだ。その一方で、燃焼させると地球温暖化大気汚染の一因となる二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物、窒素酸化物などが発生するため、環境問題の要因となっている。また、化石燃料の埋蔵量の限界についても懸念する向きは多い。今後も化石燃料に対する需要は増大することが考えられるが、このままのペースで使用していくと、石炭が約109年、天然ガスが約56年、石油は約53年しかもたないとされる(BP統計2013による)。

こうした状況を受けて、化石燃料を低公害に用い、環境への負荷を減らすための技術開発が進められている。石炭を燃焼させても従来に比べてCO2や硫黄酸化物などの発生を抑制できる「クリーン・コール・テクノロジー」の技術が注目されている。石炭ガス化複合発電(IGCC)のように発電効率の高い石炭火力発電システムもある。一方、シェールガスシェールオイルなど、新たな化石燃料も発掘されている。

化石燃料に代わる、より環境負荷の低いクリーンな再生可能エネルギーや関連技術の開発も進められている。太陽光発電風力発電、太陽熱利用、温度差エネルギー、廃棄物発電、廃棄物熱利用、廃棄物燃料製造、バイオマス、雪氷熱利用、エコカー、天然ガスコージェネレーション燃料電池などだ。

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