A: ISO9000規格は国際貿易の円滑化を目指し、世界共通の品質保証モデルとして、1987年にISO(国際標準化機構)により制定されたもの。また、ISO14000シリーズは、1996年からスタートした、環境マネジメントの国際規格である。これに対しSA8000は、第三者の認証国際規格であり、労働に特化した規約として、これらの国際規格とは相違がある。ISO9000、ISO14000シリーズ、そしてSA8000を取得することは、品質、環境、労働の観点から国際化企業として認められることになる。
A: SA8000は、労働に関する国際規格であり、メーカーにしろ小売業などのサービス業にしろ、グローバル展開をしている企業にとっては、とくに重要になる。たとえば児童労働は、日本国内では多くの場合問題にならないが、開発途上国では、10代前半の児童が就労するケースが珍しくない。開発途上国に進出した企業が、このような児童労働を軽く見て雇用すれば当然問題になる。児童労働ばかりではなく、生活もままならないほどの低賃金、セクシャルハラスメントなどについて、SA8000を取得することによって、企業内に強い意識づけができれば、問題の発生を防ぐことができる。もちろん、海外進出を図っていない企業であっても、国際化時代にあっては労働環境についての国際規格を知り、認証を得ることの重要性は当然のことである。