2025/04/10 14:09 ウェザーニュース
今日4月10日(木)に気象庁は最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。
監視海域の海面水温は平常の状態が続いています。これから夏にかけてエルニーニョ、ラニーニャ現象の発生可能性は低い状況です。
3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.7℃で、2月よりも上昇して基準値より高い値となりました。また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の1月の値はちょうど基準値です。
太平洋赤道域の海面水温は西部と東部で平年より高く、中部では平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、気下層の東風(貿易風)は中部で平年程度、東部では平年よりも弱くなっています。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常であることを示しています。
3月の太平洋赤道域の海面水温は基準値を上回りましたが、4月に入って基準値に近づいており、一時的な上昇とみられます。
エルニーニョ/ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測しています。
5月までは平常の状態になる可能性が100%と高く、6月が80%、7月と8月は60%と高い確率です。エルニーニョ現象、ラニーニャ現象になる確率は7月以降、どちらも20%となっています。
▼エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の定義
気象庁ではエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。
太平洋熱帯域の西部で海面水温が高いことから、東南アジアからフィリピンの東にかけて対流活動が活発になるとみられます。
上空を吹く強い西寄りの風、偏西風は5月前半にかけて日本付近で南に蛇行するため湿った空気が流れ込みにくく、西日本、東日本では晴れる日が多くなる見込みです。
6月は偏西風の流れが平年と同様の位置に戻り、平年に近いタイミングで西から順次梅雨入りするとみられます。
出典
気象庁