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2025/06/02 05:10 ウェザーニュース
青くてまん丸な梅が店頭に出回る時季になりました。梅酒や梅干し、梅ジュースなど、じめじめと暑くなるこれからは、爽やかな梅の酸味が恋しくなる人も多いのではないでしょうか。
ウェザーニュースで 「梅は買うもの? もらうもの?」というアンケート調査を実施したところ、「買うもの」が78%と最も多く、次いで「自家栽培するもの」(11%)、「ご近所からもらうもの」(8%)、「送ってもらうもの」(3%)と続く結果となりました。
全体では「買うもの」が高い割合を占めた一方で、和歌山県では「ご近所からもらうもの」と答えた人が25%いるなど、梅の産地では入手法も少し変わってくるようです。
1年のうちでわずか1〜2ヵ月程度しか出回らないとなれば、良い梅を選びたいもの。そこで正しい梅の選び方を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
「昨年は平年の5割程度しか収穫できなかったそうですが、今年は2月ごろには順調に梅の花が咲き、着果も良好で豊作ではないかと思われていました。
ところが、4月に生産量1位の和歌山県、2位の群馬県が雹(ひょう)による大きな被害を受けました。他の産地でも天候不順などで収穫の見通しは良くないとのことで、2年連続で不作が続くことになってしまいました。
しかし、雹の被害がなかった産地では、順調に育っているので、旬の梅が店頭に並ぶのも近いと思います」(吉田さん)
店頭に並ぶのは青梅ですが、梅干しや梅酒など作りたいものによって成熟度を変えることが必要です。
「何を作るにしても、まずは質の良い梅を選ぶことが重要です。梅は表面が傷つきやすく、色が変わりやすい果物なので、取り扱いにも注意が必要です。
6月上旬に出回る青梅なら緑色が鮮やかで、実の形がまん丸に近いもの、傷や斑点のないもの、大きさが均一で実にハリがあるものは鮮度が良い証拠です。
青梅のままで作るものでは、梅酒、梅ジュース、梅エキスなどがよいでしょう。カリカリとした食感を楽しむカリカリ梅やシロップ漬けもおすすめです」(吉田さん)
梅は収穫後も追熟する果物です。
「追熟させると黄色くなり、青梅に比べて皮が薄く果肉も柔らかで、甘みが増してフルーティーな香りが楽しめます。6月中旬になると、店頭に樹で熟した黄色の梅、『完熟梅』が並ぶようになります。
樹で熟した梅や追熟させた梅は、果肉の柔らかさを生かした梅干しや梅ジャムにすると風味がよく、とろりとした食感は、黄色の梅ならではと言えます」(吉田さん)
梅の酸味にはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸など多くの有機酸が含まれています。特にクエン酸には疲労回復作用があります。また梅干しは腐敗防止にも効果があるため、食中毒の防止にも活用できます。
これから夏に向けて健康効果の高い梅の活躍が期待されます。上手に選んで、美味しくいただきましょう。