
妻を亡くし、色を失ったおじいさん / 画像提供:猫原のしさん
学生の頃から漫画を描くことが好きだった猫原のし(@nyan_boku)さんは、X(旧Twitter) などのSNSを中心に漫画を公開している。
2023年11月には「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」を投稿。現実世界で疲れ切った大人たちが登場し、あるものと出会い色のある世界を取り戻していくというエピソードだ。SNSでは4話まで公開(2024年1月4日時点)され、元カノを引きずる男性が登場する第2話は3.7万いいねを獲得している。本作が誕生した経緯や裏話などについて、猫原のし(@nyan_boku)さんにインタビューした。
■「大切なものの喪失」が色を失わせる。
自分の世界から色がなくなったと感じる女性…「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」1-1 / 画像提供:猫原のしさん
15年前妻に先立たれ、色のない世界にいる夫だが…3-3 / 画像提供:猫原のしさん
病院のお庭に咲く鮮やかなツバキ 3-11 / 画像提供:猫原のしさん
本作「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」は、2021年の冬頃、まさにコロナ渦真っ最中という時期に生まれた作品である。作者の猫原のしさんは「行動制限などで不安が広がり『色を見失ってしまった』人もいたと思います。実は私自身もコロナ禍で出産・育児をしており、少なからず不安や孤独を感じていました。そういう方たちも含めてたくさんの人に優しい色を届けられるような作品を作りたいと思い、本作の制作に至りました」と制作のきっかけを教えてくれた。
くも膜下出血で妻を亡くし、色のない世界を生きる夫の姿を描いた第3話、最後のシーンではカラーで描かれた若い頃の夫が登場する。「彼は現実だけではなく、思い出の中でも色を思い出せなくなっていました。ラストシーンでは若い頃の思い出・記憶に色がついています」と裏話を語る猫原さん。色のある世界に戻れたということなのかという問いかけには「現実世界でのことについては、ご想像にお任せします」と含みのある答えをもらった。
「無表情に見えて表情豊かな顔のパーツ、2.5頭身の何とも言えない体型がチャームポイント」と猫原さんが語る、かわいいネコのキャラクターが活躍する本作「ちびっこしろにゃんの色彩屋さん」。日々の生活に疲れたり、空虚感を感じている方はぜひ一度読んでみてほしい。
取材協力:猫原のし(@nyan_boku)
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